セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-挿入2
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タイトル |
内P-479:挿入困難例(IBS・便秘外来)対象の大腸内視鏡の実際-「浸水法」と受動彎曲による無麻酔検査-
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演者 |
福田 智広(横浜市立市民病院・消化器内科) |
共同演者 |
水上 健(横浜市立市民病院・消化器内科DELIMITER国立久里浜医療センター・内科), 小松 弘一(横浜市立市民病院・消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター) |
抄録 |
我々は注水と脱気によるS状結腸通過法「浸水法」を開発し,挿入前後の腸管内容積の変動が少ないこと,苦痛が少ないことを報告し(Dig Endosc 2007; 19: 43-48),海外のrandomized studyで従来法に比し挿入時間の短縮と鎮静剤必要量の半減が報告された(Leung CW et.al. Endoscopy 2010; 42(7): 557-563).また本法を応用することで,鎮痙剤のみを用いた無麻酔大腸内視鏡では検査自体の心理的負荷で過敏性腸症候群(IBS)の腸管運動異常が観察されること,また腸管運動異常が観察されないIBSや便秘の多くでは挿入困難な下行結腸間膜やS状結腸の回転異常,総腸間膜症腸管形態異常が見いだされる困難症例であることを報告した(消化器心身医学2011 18(1): 57-65).これまで排便障害のない患者の4分の1,非ストレス誘因IBS患者の8割,便秘患者の8割に腸管形態異常が見いだされることを報告している(第9回消化管学会コアシンポジウム).近年,内視鏡可撓管手前の曲げ剛性を低下させヘアピン部位の通過を容易にした2層成型(Fujifilm),受動彎曲(Olympus)が上市され,総腸間膜症や下行結腸間膜など腸管形態異常を伴う挿入困難症例で苦痛を著しく軽減し,有意に時間短縮が可能であることを報告した(WJ G 2012 ; 18(32): 4454-56)当院のIBS・便秘外来患者の約半数は前医で大腸内視鏡を経験しているが,特に腸管形態異常を持つ患者では無麻酔検査で86%,麻酔下でも64%が高度の苦痛を経験している.受動彎曲内視鏡PCF PQ260を浸水法で運用することでこれらの腸管形態異常症例を全例無麻酔かつほぼ無痛で検査を施行し,先端の黒色ラバーフード装着により屈曲が強い腸管のひだ裏まで観察している.患者のCTコロノグラフィーによる腸管形態提示と併せて困難症例の無麻酔大腸内視鏡の実際につき供覧する. |
索引用語 |
浸水法, 受動彎曲大腸内視鏡 |