セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-挿入2

タイトル 内P-480:

挿入困難症例に対する受動湾曲搭載超細径内視鏡の有用性の検討

演者 山内 健司(亀田総合病院・消化器内科)
共同演者 石井 英治(亀田総合病院・消化器内科), 平田 信人(亀田総合病院・消化器内科), 中路 聡(亀田総合病院・消化器内科), 藤井 宏行(亀田総合病院・消化器内科), 平井 満(亀田総合病院・消化器内科), 小林 正佳(亀田総合病院・消化器内科), 白鳥 俊康(亀田総合病院・消化器内科), 岩田 麻衣子(亀田総合病院・消化器内科)
抄録 【背景】当院では大腸内視鏡検査(total colonoscopy,以下TCS)に細径内視鏡(Olympus,PCFシリーズ,以下PCF)を用いている.狭窄・屈曲・疼痛・過長症のためPCF単独では挿入困難となる症例に対して受動湾曲搭載超細径内視鏡(Olympus,PCF-PQ260L,以下PQ260L)を用いてTCSを行っている.【目的】挿入困難例に対するPQ260Lの有用性を検討する.【方法】2012年12月3日~2013年2月28日までの3ヶ月間で当院で施行した有症状患者1320件のTCSを対象とし,以下の3群に分け後方視的に検討した.1.PCFのみで検査した群(PCF単独群)2.PCFでは挿入不能で途中でPQ260Lに変更した群(PQ260Lリリーフ群)3.過去に挿入困難あり始めからPQ260Lを使用した群(PQ260L先発群).それぞれの群の盲腸到達率,到達時間とPQ260Lの使用理由を検討した.またPQ260L先発群で,過去のPCFでの検査と比較可能な20症例について盲腸到達時間,苦痛度,盲腸到達率を比較した.苦痛度は0(苦痛なし)~3(我慢できないほど痛かった)の4段階で判定した.【結果】1320件のTCSの挿入時間中央値・盲腸到達率は,1.PCF単独群(1267件,5.5分,99.2%)2.PQ260Lリリーフ群(22件,11分,95.5%)3.PQ260L先発群(31件,7分,96.8%)であった.PQ260Lの使用理由は,PQ260L先発群では過去に挿入不能13例,当院の過去検査で苦痛度3が2例,挿入時間15分以上7例,PQ260Lリリーフ群では過長症10例,疼痛6例,癒着4例,狭窄2例であった.PCF単独の盲腸到達率は97.5%(1257/1289)で,PCF・PQ260Lをあわせた全検査では99.1%(1308/1320),狭窄という非技術的要因で挿入不能となった症例を除外すると99.9%(1308/1309)であった.PCFでの過去検査とPQ260Lの比較では,PCFでの過去検査は平均盲腸到達時間20.2分,平均苦痛度1.4,盲腸到達率80%に対してPQ260Lでは7.3分,0.55,100%であり有意に到達時間は短く,苦痛度が低かった(p<0.05).【結論】挿入困難例に対してPQ260Lは有用であると考えられた.
索引用語 大腸, 細径内視鏡