セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-挿入2

タイトル 内P-481:

フットペダル式送水装置を用いた大腸挿入法(送水法)による苦痛軽減の客観的評価

演者 坪井 優(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
共同演者 新井 誠人(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 小山田 新(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 峯村 荘子(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 斎藤 景子(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 佐塚 小百合(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 丸岡 大介(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 松村 倫明(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 中川 倫夫(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 勝野 達郎(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
抄録 【背景】大腸内視鏡検査は,送気量やファイバーによる腸管の過進展など様々な要因によって苦痛の生じやすい検査である.患者の苦痛低減を目的として様々な挿入法やCO2送気,鎮静剤や鎮痛剤の使用等の工夫が試みられているが,苦痛の客観的評価は難しく挿入法の工夫の評価は困難である.【目的】フットペダル式送水装置を用いた大腸挿入法(送水法)の有効性を,患者の苦痛軽減の観点から検討した.【対象】平成23年4月~平成25年3月の間に,通常の挿入法(送気泡)と送水法で挿入した大腸内視鏡検査例を対象とした.【方法】各挿入法におけるバウヒン弁到達時間と到達時内視鏡長とを比較した(送気法60例,送水法70例).また,検査の際にPULSOX300i(連続的に毎秒の酸素飽和度と脈拍数の測定・解析が可能)を装着し,送気法と送水法による検査前と挿入時の酸素飽和度と脈拍数の平均値の差の比較を行った(送気法23例,送水法14例).鎮静剤と鎮痛剤は使用せず,送気は室内気を使用した.内視鏡はCF-H260AI・PCF-Q260AI(Olympus),EC450MP5・EC-590WR5(Fujifilm)を使用し全例先端フードを装着した.【結果】全例で偶発症なく全大腸観察が可能であった.バウヒン弁到達時間は送気法で平均444.7±391(120-2400)秒,送水法で平均289.0±136.1(75-960)秒であった(p<0.01, Welch’s t-test).到達内視鏡長は送気法で平均86.2±14.6(67-130)cm,送水法で平均77.5±6.71(64-94)cmであった(p<0.001, Welch’s t-test).検査に伴う酸素飽和度と脈拍数の変化については両群で酸素飽和度の差は無かったが,脈拍数に関して送気法6.7(0-20.1)bpmの増加,送水法3.3(0-8.7)bpmの増加と送水法で有意な差(p<0.05, Welch’s t-test)を認めた.【結論】送気法に比べ,送水法は大腸挿入法として有効かつ低侵襲な方法と考えられた.
索引用語 大腸内視鏡, 大腸挿入法