セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-挿入3

タイトル 内P-482:

ループを作らずパターン化された苦痛のない大腸内視鏡挿入法(S状結腸の意識する二つのポイントKey pointとTurning point)

演者 軽部 友明(軽部病院)
共同演者
抄録 ループを作らず腸管にテンションをかけない挿入法は苦痛を伴わない理想的な挿入法であるが,オリエンテーションがつきにくくパターン化が難しいとされている.そこで,S状結腸で二つの屈曲を意識することでループを作らない挿入法をパターン化することができたので報告する.S状結腸に入って最初の強い屈曲をKey point(KP)と呼ぶ.この屈曲の処理の仕方でループを作るか作らないかが決まる鍵となる屈曲である.KPを越えた後,直線的に進むことができるとS状結腸の後半に進むべきベクトルの向きが右下に変わる屈曲が出現する.その屈曲をTurning point(TP)と呼ぶ.このKPとTPを意識し,直腸からLCFまでを4つのstepにわける.1st.step:RbからRSまで,2nd.step:Sの始まりからKPまで,3rd.step:KPからTPまで,4th.step:TPからLCFまで.このように考えると直腸からLCFの挿入をフローチャートに乗せて考えることができる.1st.stepはバリエーションが少なくワンパターンである.2nd.stepでKPが時計回転するかしないかにわけて考える.回転しない場合はそこからループ形成となる場合が多い.3rd.stepは非常にバリエーションが多く,症例により難易度がわかれる箇所である.直線軸を意識してたわまない位置に屈曲を回転させることで腸管にテンションをかけずにループを作らない挿入が可能となる.どうしてもたわんでしまう場合はTPでストレート化できるかできないかで分けて考える.4th.step,TPで直線的な形になっていれば,それ以降は管腔に沿って右下に進めるだけとなる.するとSDJは強い屈曲とならずにLCFに到達することができる.このようにKPとTPを意識することでループを作らない挿入法をパターン化することが可能となる.実際の挿入動画を供覧しながらそれぞれのステップでの操作の仕方,コツを説明したい.
索引用語 パターン化された大腸内視鏡挿入法, key pointとturning point