セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-挿入3

タイトル 内P-484:

大腸内視鏡挿入困難例に対する極細径大腸内視鏡の活用

演者 萩原 武(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科))
共同演者 西園 一郎(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 道上 篤(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 寺門 洋平(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 鈴木 肇(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 乙黒 雄平(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 菊池 仁(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 西岡 均(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 前田 聡(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 小澤 広(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 黒河 聖(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 今村 哲理(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科))
抄録 【はじめに】大腸内視鏡検査はスクリーニング検査として広く普及しているが,疼痛があると患者が検査を敬遠し,挿入に難渋する症例や盲腸まで到達しない症例では不十分な検査となる.その様な症例にオリンパス社製極細径大腸内視鏡PCFPQ260I(以下PQ260)を活用しており成績を報告する.
【対象】平成23年7月から平成25年2月にスクリーニング検査でPQ260を使用した52症例,男性18例,女性34例,年齢の中央値71.5歳,開腹手術の既往がある症例が15例.PQ260を使用した理由は,前回検査で疼痛が強いまたは挿入が困難(前回検査例)36例,検査中にS状結腸で疼痛が強く挿入困難で同日に変更(同日再挿入例)16例.
【結果】前回検査例36例中,PQ260で挿入不能が2例,挿入可能な症例の挿入時間の中央値は7分31秒,15分以上必要とした症例が3例.疼痛を訴えた症例が3例.脾湾曲の通過が困難で深吸気で挿入した症例が9例,横行結腸の通過が困難で腹臥位で挿入した症例が1例.前回検査では,挿入不能が13例,挿入可能な症例の挿入時間の中央値は9分50秒,15分以上必要とした症例が7例.疼痛を訴えた症例が31例.前回検査と比較し深部挿入率,挿入時間,疼痛は改善した.
 同日再挿入例16例では,全例で深部挿入可能で,挿入時間の中央値は5分43秒,15分以上必要とした症例が1例.脾湾曲の通過が困難で深吸気で挿入した症例が4例,横行結腸の通過が困難で腹臥位で挿入した症例が1例.疼痛を訴えた症例は2例.PQ260の使用で深部挿入が可能になった.
【考察】極細径大腸内視鏡PQ260は主にS状結腸での疼痛を減少させ,患者の苦痛を軽減し有用で,特に疼痛が強い症例では,無理をせずその場でPQ260に変更することで疼痛を軽減し挿入可能になると思われる.細径のために脾湾曲や横行結腸で挿入困難になることがあるが,深吸気での脾湾曲の挿入や腹臥位での横行結腸の挿入により深部挿入が容易になると思われる.
索引用語 極細径大腸内視鏡, 疼痛