セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-診断・治療2

タイトル 内P-492:

高感度・低ノイズ・高ダイナミックCMOSイメージセンサーによる大腸腫瘍自家蛍光観察に関する検討

演者 小南 陽子(広島大・内視鏡診療科)
共同演者 吉田 成人(広島大・内視鏡診療科), 田中 信治(広島大・内視鏡診療科), 宮木 理恵(広島大・消化器・代謝内科), 佐野村 洋次(広島大・内視鏡診療科), 松尾 泰治(広島大・内視鏡診療科), 岡 志郎(広島大・内視鏡診療科), 香川 景一郎(静岡大電子工学研究所・イメージングデバイス分野), 山田 憲嗣(大阪大臨床医工学融合研究教育センター), 有廣 光司(広島大病院・病理部), 吉原 正治(広島大保健管理センター), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科)
抄録 【はじめに】生体組織には励起光により蛍光を発する自家蛍光物質が存在している.また,腫瘍細胞では嫌気的解糖により自家蛍光物質のNADHが蓄積している. 365nmおよび405nmの励起光に対し470±20nmの自家蛍光画像を冷却CCDで撮影し腫瘍のNADHイメージングを行った報告がある.今回我々は NADHを対象とし,常温下で使用可能な高感度・低ノイズ・高ダイナミックCMOSイメージセンサーで大腸腫瘍の自家蛍光観察を行った.【対象と方法】対象は2012年10月から2013年2月までに当診療科で内視鏡的摘除術で得られた大腸腫瘍標本53例(sessile serrated adenoma;8例,adenoma;18例,adenocarcinoma;27例).摘出標本に365nmと405nmの励起光を照射し,CMOSセンサーで 475±25nmの蛍光を撮影,その画像の比(365nm/405nm)を作成した.得られた画像で周囲正常粘膜に対する病変部輝度の明暗の差 (low:iso:high)と,病変部と周囲正常粘膜との境界(なし:不明瞭:明瞭 )を評価した.【結果】全例での病変輝度は,low;7.5%(4/53),iso;3.8%(2/53),high;88.7%(47/53)で,病変境界は,なし;3.8%(2/53),不明瞭;17.0%(9/53),明瞭;79.2%(42/53)であった.病理組織別では,病変輝度はsessile serrated adenomaで,low;37.5%(3/8),iso;12.5%(1/8),high;50.0%(4/8)で,adenoma+adenocarcinomaで,low;4.44%(2/45),iso;2.22%(1/45),high;93.3%(42 /45)で有意差(p=0.0036)を認めた.また,病変境界はsessile serrated adenomaで,なし;12.5%(1/8),不明瞭;12.5%(1/8),明瞭;75.0%(6/8) で,adenoma+adenocarcinomaで,なし;2.22%(1/45),不明瞭;17.8%(8/45),明瞭;80.0%(36/45) であった.【結論】高感度・低ノイズ・高ダイナミックCMOSイメージセンサーでの自家蛍光観察は大腸腫瘍の検出に有用である事が示唆された.
索引用語 大腸腫瘍, 自家蛍光観察