セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-診断・治療2

タイトル 内P-493:

逐次近似再構成法を用いた低線量CT colonographyの初期経験

演者 山村 定弘(熊本大大学院・放射線診断学)
共同演者 伊牟田 真功(熊本大大学院・放射線診断学), 宇都宮 大輔(熊本大大学院・放射線診断学), 村上 晴彦(熊本県総合保健センター), 土亀 直俊(熊本県総合保健センター), 山下 康行(熊本大大学院・放射線診断学)
抄録 【目的】大腸癌のスクリーニング検査としてCT colonography(CTC)が有用であると報告されているが,今後スクリーニング検査として用いる場合の問題点として被曝が挙げられ,以前より被曝線量に関する検討が行われている.一方,逐次近似再構成法は,低線量CTで問題となるノイズを低減でき画質の向上につながるとの報告されているが,CTCと併用した検討は少ない.今回,逐次近似再構成法(iDose)を用いた低線量CTCを検討した.【方法】当院で行ったCTCの10例を対象にした.CTは64列MDCTを使用,CO2注入器を使用し,検査直前にCO2で十分に腸管拡張を行って撮像した.CTCは以下のプロトコールで撮像を行った.1.腹臥位にて120kV,30mAs,2.仰臥位にて120kV ,AEC(Auto Expose Control).検討項目として,1.盲腸,横行結腸,直腸,病変部において,水平断画像,腸管展開像,仮想注腸像での画質の評価,2.上腹部,骨盤部,骨盤底の筋肉(大腰筋,肛門挙筋)でのノイズ測定,3.標準線量群と低線量群のCTDIを測定し,実効線量の評価,以上の3点を行った.【結果】1.水平断画像では,iDoseを使用した方がより良い画質評価となる傾向が見られた.直腸の水平断画像で低線量撮像を行った場合,iDoseを使用しなかった群では画質の低下がみられた.腸管展開像では,通常線量群の方が低線量群よりも画質が良かった.2.低線量群は通常線量群よりも有意にノイズが高かった.iDoseを使用した画像では,使用しなかった画像に比べ,iDose1:16.6%,iDose3:27.7%,iDose6:45.0%,のノイズ低下が見られた.直腸周囲(骨盤底)のノイズは他の部分よりも高かった.3.平均被爆線量は,低線量群で0.99mSv,通常線量で5.57mSvであり,平均で82%の被曝低減となった.【結論】iDoseを使用すると,骨盤内の水平断画像での画質改善が見られたが,腸管展開像や仮想注腸像での有用性は確認できなかった.
索引用語 CTC, 逐次近似再構成法