セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-診断・治療3

タイトル 内P-496:

Endocytoscopyによる,in vivoでの核のサイズ計測による組織類推

演者 森 悠一(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 若村 邦彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 背景:Endocytoscopy (EC: CF Y-0001, Olympus)は450倍の超拡大観察により,消化管粘膜表層における細胞・核をリアルタイムで観察可能とする次世代内視鏡である.今回,in vivoでの核のサイズ計測による組織類推の実現可能性を検討した.
方法:EC観察後に切除された大腸病変245例のEC画像に対し後方視的解析を行った.EC画像中の上皮細胞の核の最大短径を計測し,非腫瘍・粘膜内病変(腺腫・粘膜内癌)・浸潤癌の3群間で比較した.
結果:病変内訳は非腫瘍 10例, 粘膜内病変 146例, 浸潤癌 89例だった.核の最大短径はそれぞれ,5.2μm (95%信頼区間:3.1-7.3μm), 6.2μm (6.3-6.8μm), 9.0μm(8.5-9.4μm)であり,非腫瘍/粘膜内病変間には有意差がなかったが,浸潤癌は粘膜内病変に比べて有意に大きかった(P<0.01).粘膜内病変/浸潤癌を鑑別できる核の最大短径を設定すべくROC曲線を引いた(図).Cut off値を8μmと仮定すると,粘膜内病変/浸潤癌の鑑別能は,感度56.2% (45.3-66.7%), 特異度 82.9% (75.8-88.6%), 正診率 76.6% (70.7-81.9%)だった.
結論:EC画像における核のサイズ計測により組織類推ができうることが示された.内視鏡を用いたコンピューター支援診断(CAD: computer-aided diagnosis)実現の一助となることが期待される.
索引用語 endocytoscopy, 超拡大内視鏡