セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-診断・治療3 |
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タイトル | 内P-498:直腸LSTに付随するSkirtの病理組織学的特徴について |
演者 | 大瀬良 省三(国立がん研究センター東病院・内視鏡部) |
共同演者 | 池松 弘朗(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 藤井 誠志(国立がん研究センター東病院・臨床開発センター・臨床腫瘍病理部), 宮本 英明(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 加藤 知爾(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 福岡 聖大(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 森本 浩之(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 鳩貝 健(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 小田柿 智之(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 小島 隆嗣(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 大野 康寛(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 矢野 友規(国立がん研究センター東病院・内視鏡部), 落合 淳(国立がん研究センター東病院・臨床開発センター・臨床腫瘍病理部), 金子 和弘(国立がん研究センター東病院・内視鏡部) |
抄録 | 【目的】LSTの辺縁に,腺管の開大した丈の低い平坦隆起が付随していることがあり,我々はそれをSkirtと命名し注目している.Skirtは腫瘍径の大きい直腸LST-GMに付随して女性に多いが,病理組織学的特徴を明らかにすることが本研究の目的である.【方法】2009年6月から2013年2月まで,当院で内視鏡的に切除されたSkirtを伴う直腸LSTのうち,病理組織学的検討が可能な5症例を対象とした.Skirtの対照として過形成性ポリープ,低異型度腺腫をそれぞれ5症例用い,さらに正常粘膜との対比も行った.それぞれについて,1)H&E染色スライドを用いて腺管開口部の大きさ,腺管の基底膜間の距離,またその比(腺管開口部の大きさ/腺管の基底膜間の距離)の計測,2)抗CD31抗体を用いた免疫組織化学的染色を施行し,表層から250µm以内にある血管の短径を計測した.【成績】 Skirt,正常粘膜,過形成性ポリープ,低異型度腺腫の腺管開口部の大きさ(µm)/腺管の基底膜間の距離(µm)/比は,それぞれ105.1±63.3/198.2±73.1/0.51±0.17,24.4±10.3/61.2±19.4/0.43±0.20,68.3±32.1/133.0±35.2/0.50±0.16,30.3±25.0/100.3±36.8/0.27±0.15であった.Skirtの腺管開口部の大きさと腺管の基底膜間の距離は他と比較し有意に大きかった(p<0.001).比は低異型度腺腫と比較して有意差(p<0.001)がみられたものの,過形成性ポリープに対しては有意な差はみられなかった.一方,血管径(µm)は,Skirt:9.1±4.8,正常粘膜:9.1±2.6,過形成性ポリープ:8.2±3.4,低異型度腺腫:11.5±4.3であり,Skirtにみる血管径は低異型度腺腫と比較し有意に小さかった(p<0.001).【結論】Skirtは,過形成性ポリープにも低異型度腺腫にも完全に一致しない病理組織学的に明確な特徴を有する病変である可能性が示唆された. |
索引用語 | LST, Skirt |