セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-sm癌1 |
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タイトル | 内P-499:当院における大腸SM癌に対する内視鏡治療後経過の検討 |
演者 | 木村 圭一(国立大阪医療センター・消化器科) |
共同演者 | 榊原 祐子(国立大阪医療センター・消化器科), 杉本 彩(国立大阪医療センター・消化器科), 日比野 賢嗣(国立大阪医療センター・消化器科), 坂根 貞嗣(国立大阪医療センター・消化器科), 田村 猛(国立大阪医療センター・消化器科), 田中 絵里(国立大阪医療センター・消化器科), 岩崎 哲也(国立大阪医療センター・消化器科), 岩崎 竜一朗(国立大阪医療センター・消化器科), 長谷川 裕子(国立大阪医療センター・消化器科), 由雄 敏之(国立大阪医療センター・消化器科), 外山 隆(国立大阪医療センター・消化器科), 中水流 正一(国立大阪医療センター・消化器科), 石田 永(国立大阪医療センター・消化器科), 三田 英治(国立大阪医療センター・消化器科) |
抄録 | 【目的】大腸癌治療ガイドラインでは,主にリンパ節転移リスクを考慮したうえで,内視鏡的切除(ER)後の追加治療適応基準が掲げられている.しかし,患者の高齢化や合併症併存の問題から,ER単独で経過観察せざるを得ない場合もある.過剰治療となる追加腸切除の必要性を減少させるため,ERの適応拡大の可能性につき検討する.【方法】対象は2005年1月から2012年12月までに当院にてERを施行したガイドライン非治癒切除の70症例である.ER後追加腸切除を行わず経過観察したA群17症例と,追加切除を行ったB群53症例の2群に分類し,再発の有無,臨床経過,リンパ節転移の有無について検討した.【成績】両群で病変部位,形態に差を認めなかった.腫瘍径に関してA群平均14.5mm,B群平均17.6mmであった.病理組織学的特徴はA群で高分化型8例,中分化型9例,低分化型0例,B群で高分化型36例,中分化型16例,低分化型1例であった.平均浸潤距離はA群2195μm,B群2461μmであった.垂直方向切除断端陽性はA群2例,B群3例,脈管侵襲は,A群9例(53%),B群18例(34%)に認めた.A群で経過観察中1例(リンパ管侵襲+)にER後3年目,リンパ節転移を認めた.A群で追加切除しなかった理由としては,重篤な併存疾患が6 例と最も多く,その他,高齢であること,手術拒絶などのため経過観察となった.重篤な併存疾患を有した5例が,併存疾患の増悪で死亡し,その他12例については1例を除き,再発なく経過観察中であり,原病死は認めていない.B群でリンパ節転移は5例に認め,追加切除標本に癌組織の遺残を認めたのは1例であった.リンパ節転移陽性例で脈管侵襲が高い傾向にあった.【結論】高齢または合併症のため手術が不可能な患者では追加腸切除を行わず厳重な監視を条件に経過観察とすることも選択肢になりえる.ただし脈管侵襲は,リンパ節転移の危険因子である. |
索引用語 | 大腸sm癌, ERの適応拡大 |