共同演者 |
前畑 忠輝(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 川島 亜貴世(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 碧(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 佐藤 義典(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 中津 智子(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 池田 佳子(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 石郷岡 晋也(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 細谷 浩介(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 渡邊 嘉行(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 安田 宏(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 牧角 良二(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 月川 賢(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 藤野 節(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 大坪 毅人(聖マリアンナ医大・消化器・一般外科), 高木 正之(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 伊東 文生(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【背景】大腸癌治療ガイドラインでSM浸潤距離≧1,000μmは内視鏡的摘除後の追加治療が考慮される項目の1つであるが, 病理医により診断にばらつきがあるのが現状である. 今回我々は診断にばらつきの生じにくいと考えられる癌先進部からMP層までの距離(MP近接距離)に着目した. 【目的】「SM深部浸潤癌≒MP近接癌」と仮説をたて, MP近接距離がリンパ節転移予測因子となるか検討した. 【対象と方法】2007年から2013年に当院消化器・一般外科にて切除された大腸SM癌のうちIp症例をのぞいた計39例を対象とした. リンパ節転移予測因子として年齢, 性別, 腫瘍局在, 平均腫瘍径, 肉眼型, 癌組織型, 粘膜筋板の状態, MP近接距離, SM浸潤距離, 脈管侵襲, 簇出を検討した. SM浸潤距離測定はガイドラインに準じた.【結果】リンパ節転移陽性群(LN+)は8例, 陰性群(LN-)は31例であった. LN+で男性1例, 女性7例, LN-で男性18例, 女性13例であり, LN+で女性が有意に多かった(p=0.0436). LN-では結腸17例, 直腸14例であったが, LN+は8例がすべて結腸であった(p=0.0337). SM浸潤距離1,000um以上の症例はLN+で8例(100%), LN-では28例(90.3%)と有意差は認めなかった. MP近接距離1,000um未満はLN+で6例(75%), LN-では20例(64.5%)であり有意差は認めなかった. ly+はLN+で7例(87.5%), LN-で8例(25.8%)と有意差を認めた(p=0.0026).【結論】今回の検討ではMP近接距離はSM浸潤距離と同様に予測因子とはならず, 癌浸潤距離は単独では予測因子となりえない可能性が示唆された. |