セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-sm癌2

タイトル 内P-505:

当院における大腸sm癌内視鏡的治療の現況

演者 古土井 明(廣島総合病院・内視鏡科)
共同演者 瀧川 英彦(廣島総合病院・消化器内科), 冨永 明子(廣島総合病院・消化器内科), 宮森 純子(廣島総合病院・消化器内科), 野中 裕広(廣島総合病院・消化器内科), 藤本 佳史(廣島総合病院・消化器内科), 小松 弘尚(廣島総合病院・内視鏡科), 徳毛 宏則(廣島総合病院・消化器内科), 石田 邦夫(廣島総合病院・消化器内科)
抄録 [目的]平成24年4月より大腸腫瘍に対するESD治療が保険収載され今後大腸腫瘍に対する内視鏡的治療は増えていくと思われる.今回当院における大腸sm癌の内視鏡的治療の現況について検討した.[対象と方法]平成21年4月から平成24年3月までに当科にて内視鏡的治療を施行した大腸sm癌63症例について性別,年齢,,部位,肉眼型,腫瘍径,治療法,一括切除率,sm浸潤距離,脈管侵襲,切除断端,さらに追加手術適応例についてはリンパ節転移の危険因子について検討した.[結果]性別,年齢は男性44例,女性19例 42歳~89歳(平均70.5歳),部位は右側結腸17.5%(11/63),左側結腸58.7%(37/63),直腸23.8%(15/63)であった.肉眼型はIs12.7%(8/63),Isp36.5%(23/63),Ip19.1%(12/63),IIa7.9(5/63),LST23.8%(15/63)であった.腫瘍径は8mm~50mm(平均18.9mm),治療法はEMR85.7%(54/63),ESD14.3%(9/63),一括切除率は95.2%(60/63),sm浸潤距離はsm-s28.6%(18/63),sm-m71.4%(45/63),脈管侵襲陽性率は39.7%(25/63),断端陽性率は9.5%(6/63)であった.内視鏡的根治例は27.0%(17/63)で平均24.3ヶ月の観察期間中遺残再発,異所性再発は認められなかった.追加外科切除対象例は73%(46/63)で外科切除施行例は82.6%(38/46)であった.3例7.9%(3/38)に局所遺残,2例5.3%(2/38)にリンパ節転移を認めた.追加外科切除を希望されなかった8例は平均29ヶ月の観察期間で1例に36ヶ月後にリンパ節再発,他1例に15ヶ月後に遺残再発を認めた.リンパ節転移の危険因子について各因子で検討した結果,単独では統計学的に有意な危険因子は認められなかった.複数の因子を組み合わせ検討した結果,脈管侵襲陽性かつsm浸潤距離>3000μと脈管侵襲陽性かつ断端陽性が有意なリンパ節転移の危険因子であった.[結論]大腸sm癌のリンパ節転移の危険因子検索としては複数因子の組合せが重要と思われた.
索引用語 大腸sm癌, リンパ節転移危険因子