セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

大腸-sm癌2

タイトル 内P-507:

適応外大腸SM癌の内視鏡治療後の再発について

演者 冨木 裕一(順天堂大・下部消化管外科)
共同演者 市川 亮介(順天堂大・下部消化管外科), 伊藤 慎吾(順天堂大・下部消化管外科), 呉 一眞(順天堂大・下部消化管外科), 本庄 薫平(順天堂大・下部消化管外科), 蘆 尚志(順天堂大・下部消化管外科), 青木 順(順天堂大・下部消化管外科), 岡澤 裕(順天堂大・下部消化管外科), 高橋 里奈(順天堂大・下部消化管外科), 水越 幸輔(順天堂大・下部消化管外科), 河合 雅也(順天堂大・下部消化管外科), 嵩原 一裕(順天堂大・下部消化管外科), 田代 良彦(順天堂大・下部消化管外科), 宗像 慎也(順天堂大・下部消化管外科), 石山 隼(順天堂大・下部消化管外科), 杉本 起一(順天堂大・下部消化管外科), 坂本 一博(順天堂大・下部消化管外科)
抄録 【目的】内視鏡切除で治療が完了するリンパ節転移リスク(-)の大腸SM癌は,SM癌全体の20%であるが,実際にはSM癌の初期治療として,内視鏡切除は60%に行われ,その半数が追加治療を受けている.特に大腸ESDにより,内視鏡治療の幅は拡がったが,SM癌は浸潤癌であり,追加治療を考慮に入れた治療戦略を立てる必要がある.今回,大腸SM癌の再発について検討し,SM癌の内視鏡治療と腹腔鏡下手術の治療方針を考察した.【方法】2000~2012年に切除した大腸SM癌623例を対象とした.【成績】大腸SM癌の治療の内訳は,内視鏡切除183例(29.4%),追加腸切除197例(31.6%),はじめから手術243例(39.0%)であった.リンパ節転移は39例(6.3%)で,同時性の遠隔転移は肝転移1例(0.2%)であった.再発は9例(1.4%)で,再発形式は,局所再発2例,リンパ節転移2例,遠隔転移5例であった.局所再発の2例は,内視鏡切除後,切除した同部位に2年後,3年後に局所再発が見られたが,いずれも切除することができた.リンパ節転移の2例は,RbのSM massive癌であり,大腸ESDの導入初期に多分割切除となった例であった.1例は54日後に追加治療を行い,腸管腫瘍の遺残とリンパ節転移が7/15であった.もう1例は,ESD後,他医で補助化学療法中に,CTでリンパ節の腫脹がみられ,113日後に追加治療を行い,リンパ節転移が15/49であった.遠隔転移の5例のうち,無病生存となったのは1例であった.【結論】リンパ節転移の2例は,適応外病変にESDを行ったが,リンパ節転移個数が通常のSM癌より多く,ESDで腫瘍に斬り込んだこと,分割切除から追加治療まで期間が空いてしまったことが影響したのではないかと推察した.この2例を猛省し,ESDを含む内視鏡治療は,腺腫,M癌の手術例を減らすことに主眼を置き,内視鏡でSM癌と診断した場合は腹腔鏡下手術を第一選択とする方針とした.
索引用語 大腸SM癌, リンパ節転移