セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)大腸-sm癌2 |
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タイトル | 内P-508:大腸SM浸潤癌に対する内視鏡的切除と追加外科切除の治療成績 |
演者 | 斎藤 健一郎(福井県済生会病院・外科) |
共同演者 | 宗本 義則(福井県済生会病院・外科), 高嶋 吉浩(福井県済生会病院・外科), 島田 麻里(福井県済生会病院・外科), 河野 史穂(福井県済生会病院・外科), 鈴木 勇人(福井県済生会病院・外科), 佐野 周生(福井県済生会病院・外科), 加藤 嘉一郎(福井県済生会病院・外科), 加藤 成(福井県済生会病院・外科), 寺田 卓郎(福井県済生会病院・外科), 天谷 奨(福井県済生会病院・外科), 飯田 善郎(福井県済生会病院・外科), 三井 毅(福井県済生会病院・外科) |
抄録 | 【目的】当院での大腸SM癌の局所切除後の治療成績を明らかにし,手術例の成績と比較することで追加外科切除への対応について再考する. 【対象】2003年~2012年の10年間に当院で内視鏡的切除または経肛門的切除を施行された大腸SM癌64例. 【結果】大腸癌治療ガイドラインで経過観察となる21例は再発を認めなかった.切除断端陽性は17例で,追加外科切除11例,経過観察6例であった.追加外科切除11例中1例と経過観察6例中1例に再発を認めた.ガイドラインでいわゆる追加切除を考慮すべき例は26例で,追加外科切除12例,経過観察14例であった.追加外科切除12例に再発は認めなかった.経過観察14例中1例に再発を認めた. 【考察】SM深部浸潤癌ないし脈管侵襲陽性であった43例では,経過観察20例中2例(10%),外科切除23例中1例(4%)に再発を認めており,追加外科切除による再発抑制効果は6%であった.また大腸癌研究会のプロジェクト研究より,ガイドラインにおける追加外科切除を考慮する因子数が1つではリンパ節転移が5.6%,2つでは15.7%と報告されている.一方,今回の対象と同期間における80歳以上の当院での外科手術例の原病死を除く在院死亡率は,待機手術例に限ると1.3%(159例中2例)であった.さらに直腸癌においては排便機能の低下や人工肛門といったQOLの問題もある.以上を考慮すると,追加外科切除因子が1つでもあれば一概に手術を推奨するというのは妥当とは言えないであろう.術前のリスク評価についてはPNIや各種POSSUM score等が有用であり,これらは実際より高めに評価される傾向はあるが,年齢によらず算出が可能で,追加外科切除のICの際に事前に知っておくことは参考になる. 【結語】大腸SM癌に対する内視鏡的治療後の追加外科切除の適応については,リンパ節転移のリスクと外科手術のリスク,QOLとを比較して,そのバランスを踏まえたICを行うべきである. |
索引用語 | 大腸SM浸潤癌, 追加外科切除 |