セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
大腸-sm癌2
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タイトル |
内P-510:当院の大腸SM癌の内視鏡治療後長期成績
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演者 |
大野 亜希子(NTT東日本関東病院・消化器内科) |
共同演者 |
大圃 研(NTT東日本関東病院・消化器内科), 小豆嶋 銘子(NTT東日本関東病院・消化器内科), 濱中 潤(NTT東日本関東病院・消化器内科), 伊藤 高章(NTT東日本関東病院・消化器内科), 辻 陽介(NTT東日本関東病院・消化器内科), 松橋 信行(NTT東日本関東病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】大腸癌治療ガイドラインでは早期大腸癌内視鏡治療後に追加外科手術を考慮する基準が示されたが,内視鏡治療後の長期成績は未だ明らかではない.当院での内視鏡治療施行後の大腸SM癌の長期成績を検討し現行ガイドラインの妥当性を検証した.【対象と方法】2000年1月から2012年9月に当院で内視鏡治療を施行した大腸SM癌138例のうち内視鏡治療単独症例77例に対し,治療時の患者背景,局在,切除方法,肉眼形態,長径やSM浸潤距離等の臨床病理学的特徴,また再発の有無と時期について検討した.また追加外科治療施行症例61例の長期成績を検討した.【結果】内視鏡治療単独施行の77例は,男性/女性47/30例,平均66.1歳,局在は結腸/直腸47/30例,術式はEMR/ ESD / polypectomy 17/50/10例,形態は隆起型/平坦型38/39例,平均病変径24.3mm,平均SM浸潤距離889.5μm,簇出Grade2/3以上26例であった.ガイドライン適応内の61例に再発は認めず,適応外で経過観察とした16例は平均観察期間47か月で2例(12.5%)に再発(局所再発1/遠隔転移1)を認めた.いずれも直腸病変で組織型はmodであった.当院の経過観察例のサーベイランスは切除後2年以内は4~6か月毎,以降年1回の内視鏡検査/CTとしている.再発例はいずれも観察期間12か月であり,急速な腫瘍増大傾向を認め治療は困難であった.またガイドラインに則し追加外科切除を施行した61例では5例に癌残存,5例にリンパ節転移を認めたが,平均観察期間44か月で全例生存中である.【結論】ガイドラインに則した内視鏡治療単独症例および追加外科治療症例は全例で長期成績が良好であり現行のガイドラインは妥当であると思われた.追加外科治療を考慮しても経過観察せざるを得ない症例は存在するが,直腸病変や組織型modの病変は注意を要すると考えられた.再発に関しては治療後6~12か月以内の内視鏡再検およびCT検査で発見可能であるが,綿密な経過観察でも発見時には治療困難となる症例が多い事を改めて認識すべきである. |
索引用語 |
ESD, 大腸SM癌 |