セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-Barrett食道

タイトル 内P-513:

当院におけるBarrett腺癌症例の臨床的検討 ~若年発症例を含めて~

演者 清川 博史(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科)
共同演者 前畑 忠輝(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 森田 亮(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 鈴木 碧(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 佐藤 義典(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 中津 智子(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 小澤 俊一郎(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 石郷岡 晋也(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 池田 佳子(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 細谷 浩介(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 小川 秀久(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 藤野 節(聖マリアンナ医大病院・病院病理部), 渡邊 嘉行(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 安田 宏(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医大病院・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】Helicobacter Pyroli(H.P)感染率低下と食道胃逆流症に伴うBarrett食道の増加によりBarrett腺癌は増加傾向にある.一方,本邦では依然比較的稀有な疾患である.当院において経験したBarrett腺癌における臨床的特徴を比較検討した.【方法】当院において2007年~2013年までに診断・加療し得たBarrett腺癌8症例における臨床的特徴について検討した.【成績】症例は2008年以降の当院における食道癌全症例数の0.5%に相当し,性差は7:1と男性に多く,平均年齢は60.5歳(27~87歳),診断契機は健診異常3例,胸焼け1例,嚥下時つかえ感2例,心窩部痛1例,食道胃接合部びらん経過観察中に生検にてgroup4が認められた1例である.平均BMIは23.6kg/m2,喫煙歴は4例が有しており,H.P抗体は全例が陰性であった.8例中GERD併存を4例,食道裂孔ヘルニア併存を7例で認め,背景粘膜はLSBE2例,SSBE6例であった.肉眼型は0-I 1例,0-IIc 2例,type1 1例,type2 1例,type3 3例,腫瘍局在は左壁3例,上壁5例であった.治療法としてはESD 2例,外科的切除5例,放射線化学療法1例であり,切除された7例での深達度はT1 4例,T2 1例,T3 3例,組織型は分化型6例,未分化型2例であった.平均観察期間は25.6ヶ月であるが,2例が死亡,6例に再発は認められていない.【結論】少数例の検討ではあるが,全体的にGERD等の炎症性変化を背景とする例が多い一方で27歳と若年でリスクの少ない例も認められたことから,一般的なリスクを介さない発癌経路の存在も考慮される.従って新たなリスク因子・成因の解明が今後の課題である.
索引用語 Barrett腺癌, 若年発症