セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-拡大内視鏡

タイトル 内P-517:

当科での食道扁平上皮癌の拡大内視鏡診断について

演者 船川 慶太(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 佐々木 文郷(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 上村 修司(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 有馬 志穂(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 田中 啓仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 直子(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 小薗 雅哉(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 岩屋 博道(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 田口 宏樹(鹿児島大・光学医療診療部), 瀬戸山 仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大・光学医療診療部), 藤田 浩(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【背景】2011年,食道表在癌に対する拡大内視鏡分類として食道学会分類が提唱された.しかし,B1血管,B2血管どちらとも言い難いIPCL様血管が存在する.また,AVAについても単に血管がない領域とするのか,腫瘍で押しのけられた横走するIPCL様血管で囲まれた部分とするのか定義が明文化されていない.【目的】今回,retrospectiveに内視鏡所見と病理所見を対比し,食道学会分類を用いた深達度の正診率,誤診の原因について検討を行った.【対象と方法】2009年1月~12年12月まで当科でESDを施行した食道ESD症例102例/137病変の内,扁平上皮癌92例/115病変を対象とし,EP/LPM群:62例82病変,MM/SM1群:23例25病変,SM2群:8例/8病変に分けて検討した. 【結果】EP/LPM群82病変の内,正診64病変(正診率84%),過小評価(A血管と判定→HGIN)4病変,深読み8病変,判定不能(角化,白苔被覆,RT後)6病変であった.深読みした病変は,乳頭状隆起1例,炎症血管かB2血管か迷うもの3病変,細いB2血管が1病変,AVAの範囲同定に悩むもの2病変,明らかなB2血管が1病変(病理ではLPM deep)であった.MM/SM1群25病変の内,正診19病変(正診率83%),浅読み3病変,深読み1病変,判定不能(角化,白苔被覆,RT後)2病変であった.浅読み3病変の内,2例は一部にのみB2血管を認め,1例はB1かB2血管と迷う部分を認めた.深読みの1例は一部にB3血管を認めた.SM2群8病変では,正診5病変(正診率71%),浅読み2病変,判定不能(TyprR)1病変であった.SM2の浅読み2病変はいずれも表層の癌と連続しない癌が粘膜下層に存在した.【まとめ】誤診した病変は,B1か2血管かの判定,AVAの判定・範囲の同定,B2・3血管の有意な領域の判定,腫瘍血管と炎症血管の鑑別,が困難である病変であった.さらなる正診率の向上のため,これらの点について定義を明文化する必要があると考えられる.
索引用語 食道癌, 食道学会分類