セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-拡大内視鏡

タイトル 内P-519:

食道表在癌の深達度診断におけるBLI拡大内視鏡の有用性

演者 冨江 晃(京都府立医大・消化器内科)
共同演者 八木 信明(京都府立医大・消化器内科), 鈴木 建太朗(京都府立医大・消化器内科), 木村 礼子(京都府立医大・消化器内科), 辻 俊史(京都府立医大・消化器内科), 山田 展久(京都府立医大・消化器内科), 尾藤 展克(京都府立医大・消化器内科), 土肥 統(京都府立医大・消化器内科), 吉田 直久(京都府立医大・消化器内科), 鎌田 和浩(京都府立医大・消化器内科), 堅田 和弘(京都府立医大・消化器内科), 内山 和彦(京都府立医大・消化器内科), 半田 修(京都府立医大・消化器内科), 高木 智久(京都府立医大・消化器内科), 石川 剛(京都府立医大・消化器内科), 小西 英幸(京都府立医大・消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医大・消化器内科)
抄録 【目的】食道表在癌の深達度診断には,拡大内視鏡が必要不可欠である.当院では,NBIに加え,富士フィルム社より開発されたBlue LASER Imaging(以下BLI)を導入し,深達度評価に用いている.BLIは異なる2種類の波長の半導体レーザーを光源とし,NBIのように特殊なフィルターを用いることなく狭帯域光観察を可能とした.今回,食道表在癌におけるBLI併用拡大観察の有用性についてNBI併用拡大観察と比較検討した.【対象・方法】2012年3月から2013年3月に,当院にてNBIおよびBLI併用拡大観察の両者を施行した食道表在癌ESD症例42病変を対象とした.表層の微細血管の描出能の違いを,日本食道学会食道表在癌深達度診断基準検討委員会による食道表在癌の拡大内視鏡分類(案)に基づき検討した.また遠景での観察能も比較検討した.【成績】平均年齢71.2才,男女比39:3,表現型は0-IIb:29病変,0-IIc:4病変,0-IIa:2病変,0-IIa+IIb:2病変,0-I,0-I+IIb,0-IIa+IIc,0-IIb+IIa,0-IIc+IIa:各1病変であり,深達度はEP:7病変,LPM:26病変,MM:6病変,SM1:1病変,SM2:2病変であった.拡大観察の所見は,B1:27病変(EP:7病変,LPM:18病変,MM:2病変),B2:14病変(LPM:8病変,MM:4病変,SM1:1病変,SM2:1病変),B3:2病変(MM:1病変,SM2:1病変)であった.BLI拡大観察では,微細な血管が見える,やや深部の血管が鮮明に描出される,などの相違点が存在したが,深達度診断に影響する異常血管が視認されることはなかった.また,遠景観察では,NBI観察に比べ,発赤の強い病変ではより鮮明であったが,病変周囲粘膜の色調も強調されるため病変が認識しにくい症例も存在した.【結論】NBI同様に,BLI拡大観察は食道表在癌の深達度診断に有用であると考えられた.今後の更なる症例の集積により,食道表在癌の診断基準確立が大いに期待される.
索引用語 食道表在癌, 拡大内視鏡