セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-狭窄

タイトル 内P-521:

食道癌術後吻合部狭窄に対する回収可能な食道ステント留置の経験

演者 岡本 浩一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
共同演者 二宮 致(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 丸銭 祥吾(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 柄田 智也(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中沼 伸一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 酒井 清祥(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 牧野 勇(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 古河 浩之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 北川 裕久(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
抄録 【はじめに】食道癌術後の吻合部狭窄に対しては従来よりバルーン拡張術や内視鏡的切開拡張術などを行ってきたが,難治性反復性吻合部狭窄をきたす症例を経験する.今回回収可能なself-expandable metallic stent [SEMS]を使用した3症例の経験につき報告する.【症例】症例1:63歳男性.胸部食道癌に対して縦隔鏡補助下食道抜去術を施行.術後2か月目以降食道胃管吻合部狭窄を認めるようになり,切開拡張術を2回施行するも短期間で再狭窄を認めた.回収可能なSEMS (Flexella-J,18mm径11cm長,逆止弁付き)を留置したところ,速やかに内腔の拡張が得られ,固形物摂取が可能となった.留置後2か月目に症状なく自然逸脱したが,留置後3か月目の内視鏡検査では吻合部狭窄を認めず,留置後9か月経過したが再狭窄は認めていない.症例2:68歳男性.胸部食道癌に対して非開胸食道抜去術を施行後,2年3か月で計27回の切開拡張術を要した難治性反復性狭窄症例であった.再狭窄に対してSEMS留置し,速やかに内腔の拡張が得られたが,合併症として咽頭出血を認めた.留置2か月後に食物残渣によるステント内腔の閉塞によりSEMS回収を必要としたが,SEMSを再留置し,以後6か月間自然逸脱や通過障害は来していない.症例3:63歳女性.胸部食道癌に対して胸腔鏡下食道切除,後縦隔経路胃管挙上頚部吻合を施行.術後1.5か月目以降反復性吻合部狭窄に対して計6回の切開拡張術を要するも再狭窄を来し,術後6か月目にSEMSを留置した.SEMS自然逸脱のために数回の位置調整・回収などを要したが,初回留置より5か月目にSEMSを抜去して以後通過障害は来していない.【結論】回収可能な食道ステントは,食道癌術後の反復性難治性吻合部狭窄に対する有効な治療法となりうる.
索引用語 食道ステント, 良性食道狭窄