セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-狭窄

タイトル 内P-524:

細径内視鏡におけるテープフードと消化管ステント留置の水溶性造影剤を用いたマーキング法

演者 二宮 淳(市立四日市病院)
共同演者 杉浦 寧(杉浦医院), 小林 真(市立四日市病院), 矢野 元義(市立四日市病院)
抄録 【目的】細径内視鏡は高い挿入性を生かして幅広い分野に応用することが可能であり,当院ではイレウスチューブ留置の補助,直接経口胆道鏡や消化管ステントの留置にも使用している.われわれは細径内視鏡の視野確保のためにテープフードを考案し,正確なステント留置のために狭窄部遠位側に細径内視鏡と水溶性造影剤(イオパミドール)を用いてマーキングを行った.【方法】細径内視鏡はCCDと外縁との距離が近く粘膜に接触した場合に視野が失われやすい.通常型のフードでは外径が太くなるため,細径内視鏡先端にテープを巻きフードとして使用した.テープにはハレーションを起こしにくい暗色のビニールテープ(厚さ0.1~0.2mm)を滅菌して用い,視野ぎりぎりの長さで先端に巻きつけた.またイオパミドールは以前から食道静脈瘤の硬化療法において使用されており,局注しても安全性は高いと考えられる.細径内視鏡で狭窄部を通過させ,腫瘍の遠位側の粘膜に細径局注針を用いて生食で軽度膨隆を作成し,透視下で確認しながら62.14%イオパミドールをマーキングとして局注した.腫瘍の近位側にも同様にマーキングしてステントの留置を行った.ステント留置は食道癌5例,胃癌による幽門前庭部狭窄1例,大腸癌2例に対して施行した.内視鏡にはGIF-N260とGIF-XP260を用いた.【結果】テープフードにより視野が失われにくくなり,狭窄部の通過に有用であった.外径の増加も最小限に抑えられ,胃瘻造設時の経鼻挿入も問題なく行えた.側孔は無いがレンズクリーナーにより視野の確保は可能であった.イオパミドールによるマーキングは時間の経過とともに不明瞭になるため多めに(2~3ml)局注する必要があるが,体動や腸管の移動に強く全例においてステント留置は可能であった.イオパミドール局注による偶発症は認めなかった.【結語】細径内視鏡におけるテープフードとステント留置での水溶性造影剤を用いたマーキングは有用であると考えられた.
索引用語 テープフード, イオパミドール