セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-咽喉頭

タイトル 内P-527:

中・下咽頭表在癌の拾い上げにおける全身麻酔下内視鏡観察の有用性

演者 高木 靖寛(福岡大筑紫病院・消化器内科)
共同演者 小野 陽一郎(福岡大筑紫病院・消化器内科), 石川 智士(福岡大筑紫病院・消化器内科), 別府 孝浩(福岡大筑紫病院・消化器内科), 矢野 豊(福岡大筑紫病院・消化器内科), 大津 健聖(福岡大筑紫病院・消化器内科), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科), 八尾 建史(福岡大筑紫病院・内視鏡部), 田邉 寛(福岡大筑紫病院・病理部), 池田 圭祐(福岡大筑紫病院・病理部), 原岡 誠司(福岡大筑紫病院・病理部), 岩下 明徳(福岡大筑紫病院・病理部), 山野 貴史(福岡大筑紫病院・耳鼻いんこう科), 坂田 俊文(福岡大筑紫病院・耳鼻いんこう科), 平井 孝直(福岡大筑紫病院・麻酔科), 生野 愼二郎(福岡大筑紫病院・麻酔科)
抄録 【目的】中・下咽頭表在癌は食道癌と同様にfield cancerizationの面から多発癌に留意する必要があるが,咽頭は複雑な構造や反射の面から充分に観察することが困難である.今回,術前検査と全身麻酔下術中検査の内視鏡的病変拾い上げ診断能を比較検討した.【対象と方法】対象は2005年から2013年2月までに当科で内視鏡的切除を行った中・下咽頭表在癌22例34病巣(男女比=21:1,平均年齢68.1歳).白色光通常観察(white light imaging; WLI)+拡大観察併用NBI(narrow-band imaging)検査の術前検査と全身麻酔下検査の拾い上げ診断能を検討し,術前発見病巣(A群)と麻酔下発見(B群)の臨床病理学的所見を比較した.内視鏡機器はQ240Z, H260Z(Olympus medical systems)を用い,14例は佐藤式彎曲型咽喉頭直達鏡(永島医科機器)による喉頭展開を併用した.術前検査では15例が鎮静剤投与下に検査されていた.【成績】1. 発見病巣数:術前(A群)26,術中33(ヨード染色併用34)で7病巣(B群)が新たに発見された(二項検定 p=0.016).2. 腫瘍径(mm):A群 17.9±10.8, B群 7.7±4.2(student’s t-test p=0.02).3. 肉眼型(隆起型 I, IIa vs 平坦陥凹型 IIc, IIb):A群 14 vs 12, B群 2 vs 5(NS).4. 色調(発赤 vs 同, 白色):A群 20 vs 6, B群 1 vs 6(Fisher’s test p=0.004).5. 占居部位(梨状窩・披裂,それ以外の下咽頭,中咽頭):A群 20, 3, 3, B群 4, 3, 0(NS).6. 深達度(上皮内癌 vs 上皮下浸潤癌):A群 18 vs 5, B群 5 vs 2 (NS).【結論】全身麻酔下のWLI+NBI観察は中・下咽頭多発癌の発見に上乗せ効果があり内視鏡治療時には必須で, とくに同色, 白色調の小さな病変の拾い上げに有用であった.
索引用語 咽頭表在癌, 拾い上げ診断