セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-咽喉頭

タイトル 内P-528:

消化器内視鏡時の咽頭観察における経鼻内視鏡の安全性と有効性の検討

演者 坪井 優(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
共同演者 新井 誠人(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 丸岡 大介(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 松村 倫明(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 中川 倫夫(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 勝野 達郎(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・消化器・腎臓内科学)
抄録 背景)消化器内視鏡時の咽頭観察は非常に重要だが難しい.観察中の反射抑制法として経鼻内視鏡,鎮静剤,細径経口内視鏡等の使用が考えられる.これらを用いて安定した咽頭観察に関する探索的検討を行った.方法)検討1:咽頭観察の心肺機能への影響を検討.経鼻,無鎮静・鎮静経口での咽頭観察時の心肺機能への影響をSpO2,脈拍数の連続測定にて検討.NBI・FICEを併用し下咽頭は発声法,valsalva法にて観察.PULSOX 300i (Konica)を使用し内視鏡挿入前,食道挿入までのSpO2,脈拍を記録し最大・最少・平均値を求めた.検討2:経鼻(5.5mm)通常径経口(9.2mm細径経口(7.9mm)極細径経口(6.5mm)を比較し各内視鏡の咽頭観察への有用性を検討.1.咽頭観察完遂性2.嘔吐・咳反射3.咽頭観察時間を検討.経鼻XP260N(外径5.5mm)通常径経口Q260(9.2mm)細径経口PQ260(7.7mm)と極細径経口XP260(外径6.5mm)を使用.症例は491例,内視鏡別ではXP260N 170例,XP260 167例,PQ260 77例,Q260 78例.喉頭蓋から咽頭観察を始め咽頭観察時間を測定.観察は予め決めた順序で行った.過度の反射が出現したら観察終了とし食道へ挿入した.咽頭観察はNBIで行った.結果1:挿入前・咽頭観察中の平均値は経鼻ではSpO2,脈拍共に鎮静経口ではSpO2にて鎮静に対して有意に悪化が少なかった(p<0.05).発声等指示入りに関しては鎮静経口で従えなかった(p<0.05).結果2:1.咽頭観察完遂率は経鼻98.8%経口73.2%で,経鼻が経口に比べ咽頭観察が完遂出来た(p<0.001).2.嘔吐反射は経鼻0.59%経口28.3%で経鼻で嘔吐反射が少なかった(p<0.001).咳反射は全内視鏡で差はなし.3.観察完遂群での咽頭観察時間は経鼻と極細径経口にて有意差を認めた(p<0.05).多変量解析の結果咽頭観察完遂予測因子として経鼻のみが有意で咽頭観察完遂群中での長時間観察の予測因子としても経鼻のみが有意であった.結論:咽頭観察においては経鼻内視鏡が安全かつ有効であると考えた.
索引用語 経鼻内視鏡, 咽頭