セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-咽喉頭

タイトル 内P-529:

細径経口内視鏡を用いた早期咽頭癌スクリーニングシステムの構築

演者 河原 祥朗(岡山大病院・光学医療診療部)
共同演者 堀 圭介(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 岡田 裕之(岡山大病院・光学医療診療部), 那須 淳一郎(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 川野 誠司(岡山大病院・光学医療診療部), 喜多 雅英(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 筑木 隆雄(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 松原 稔(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 神崎 洋光(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 小林 沙代(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学), 山本 和秀(岡山大大学院・消化器・肝臓内科学)
抄録 従来,咽頭は耳鼻咽喉科の専門領域であったが近年消化器内視鏡が重要な役割を果たし始めた.画像強調技術の進歩により早期に内視鏡治療が可能な病変も多く見つかるようになってきたが,施設によって大きく発見率も異なる.今回我々は,早期病変発見の標準化を目指して咽頭分野のみを細径経口内視鏡を用いて観察するスクリーニングシステムを構築した.(症例)対象は耳鼻科医を含む各科医師が咽頭観察必要と考えた患者及び,希望にて来院した患者とした.検査予約不要,朝食後2時間以上経過していれば検査可能とし,院内システムの変更により,各科医師が院内紹介なしに自由に電子カルテからオーダー可能とした.(方法)患者の負担を軽減するために,嘔吐反射の防止を目的としたマウスピース及び細径経口内視鏡(PQ-260, Olympus)を仕様した.まずマウスピースなしで口腔内を白色光,NBIにて観察.その後マウスピース装着下に咽喉頭を白色光,NBIで詳細に観察,病変が疑われる場合は生検を施行,さらに術者が拡大観察などが必要と判断した場合は後日再検予定とした.検査の苦痛度に関して検査後患者アンケートを行い,苦痛なし,軽度,中等度,高度の4段階で評価した.(結果)平成24年4月~12月までの間に72例が本システムで内視鏡検査を施行された.その結果,事前に指摘されていない7病変(喉頭癌1 下咽頭癌4 口腔癌2)が発見された.うち下咽頭癌はすべてESDにて治療可能であった.患者アンケートによる苦痛度は,苦痛なしが54例,軽度が18例で中等度以上の苦痛を感じた患者はいなかった.(結語)今回我々は,咽喉頭領域の早期病変を積極的に発見するためのスクリーニングシステムを構築した.細径内視鏡を使ったこの方法を用いることでほとんど患者に苦痛を与えることなく咽頭スクリーニングが可能であり,高率に咽頭表在癌を拾い上げることができた.
索引用語 細径内視鏡, NBI