セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-咽喉頭

タイトル 内P-530:

頭頸部表在癌に対する超拡大内視鏡所見の検討

演者 柳下 淳(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科)
共同演者 矢野 友規(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 加藤 知爾(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 森本 浩之(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 大瀬良 省三(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 小田柿 智之(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 池松 弘朗(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 大野 康寛(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科), 金子 和弘(国立がん研究センター東病院・内視鏡/消化管内科)
抄録 【背景】超拡大内視鏡により食道,胃,大腸において生体内でのリアルタイムな腫瘍細胞の観察が可能であることが報告されてきた.井上らは,食道における超拡大内視鏡所見の分類(ECA分類:Endocytoscopic atypia classification)を提唱しその有用性を報告しているが,同じ扁平上皮に覆われている頭頸部領域での知見は少ない.【目的】超拡大内視鏡観察(ECS)により頭頸部表在癌の内視鏡診断が可能であるかを検討する.【方法】当院にてECSを行った頭頸部表在癌(扁平上皮癌)連続12例の所見を後方視的に検討した.ECSはGIF Y0008(Olympus 最大倍率380倍)を用い,1%メチレンブルーにて染色し観察した.観察は,「扁平上皮癌」と診断がついた表在癌に対して主に全身麻酔下に内視鏡治療直前に行った.NBI拡大観察にて「腫瘍」「非腫瘍」「境界部」と診断された部位に対して,ECS観察し,動画及び静止画を記録して,ECSの所見は,は井上らによるECA分類を用いて分類した.【結果】年齢中央値は67(59-78)歳,全例男性,であった.病変の部位は口腔底1例,中咽頭3例(軟口蓋,側壁,後壁各々1例ずつ),喉頭蓋舌面1例,下咽頭7例(梨状陥凹7例)であった.病変の大きさは中央値18(3-28)mm,肉眼型は表面隆起型9例,表面平坦型3例で,深達度は7例が上皮内癌,4例が上皮下浸潤癌であった.ECS所見では全例評価可能な画像が得られ,病変部のECA分類は全例ECA 5で非腫瘍部はECA 1もしくは2であった.また,丈の高かった1例を除いて11例で腫瘍非腫瘍境界を描出できた.【結論】ECSを用いた頭頸部領域の観察は可能で,ECA分類は頭頸部表在癌(扁平上皮癌)の診断にも外挿可能であると考えられた.
索引用語 頭頸部表在癌, 超拡大内視鏡