セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-症例2

タイトル 内P-540:

内視鏡にて観察し得た下行大動脈人工血管置換術後食道瘻の1例

演者 小出 泰平(紀南病院DELIMITER帝京大附属病院・外科)
共同演者 井上 泰介(帝京大附属病院・外科), 小川 越史(帝京大附属病院・外科), 堀川 昌宏(帝京大附属病院・外科), 池田 佳史(帝京大附属病院・外科), 稲葉 毅(帝京大附属病院・外科), 福島 亮治(帝京大附属病院・外科)
抄録 症例は59歳女性,Stanford B型の大動脈解離に対して2012年2月に心臓血管外科で緊急手術を施行した.術中所見では瘤は解離性ではなく感染性であった.下行大動脈人工血管置換術を施行した.術後胸腔内感染を併発したが保存的に軽快し,術後58日に退院した.細菌検査では感染性瘤からstreptococcus pneumoniaeが,胸水からはpseudomonas aureginosaが検出された.退院後外来で経過をみていたが,炎症反応遷延と咳嗽の増悪があり胸腹部CTを施行し,置換した人工血管に隣接した胸部食道の食道壁が欠損しており,食道瘻の可能性があり当科に紹介された.上部消化管内視鏡では,切歯27-30cmの胸部中部食道の左壁が全層に欠損しており,置換した人工血管が露出している状況であった.食道瘻が大きく自然に軽快する可能性が低いこと,人工血管へ感染が波及する可能性があることから,2012年6月に挙上胃管による食道バイパスを施行した.食道は頸部食道で切離し遠位側は閉鎖,近位側の食道と胃管とを吻合した.さらにTreitz靭帯から約30cm肛門側の空腸を切離し切離した空腸の肛門側を腹部食道と吻合,口側の空腸は食道空腸吻合部より約65cmほど肛門側で端側吻合した.術後は大きな合併症もなく術後25日に軽快退院した.
索引用語 食道瘻, 人工血管置換術後