セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-症例2

タイトル 内P-541:

内視鏡下粘膜切開を施行した食道全長に及ぶ食道粘膜下膿瘍の1例

演者 武野 慎祐(福岡大・消化器外科)
共同演者 小野 潔(大分大・2外科), 諸鹿 俊彦(飯塚市立病院), 川原 克信(飯塚市立病院), 高橋 良彰(福岡大・消化器外科), 佐々木 貴光(福岡大・消化器外科), 吉田 陽一郎(福岡大・消化器外科), 塩飽 洋生(福岡大・消化器外科), 槇 研二(福岡大・消化器外科), 山名 一平(福岡大・消化器外科), 山下 裕一(福岡大・消化器外科)
抄録 【緒言】食道粘膜下膿瘍は比較的まれであり,多くは魚骨の誤飲や結核に起因する限局性の疾患である.今回われわれは,食道の全長に渡る粘膜下膿瘍を経験したので報告する.【症例】症例は,50歳台の男性で咽頭部違和を主訴に耳鼻咽喉科を受診し,炎症反応高値であったため精査・加療目的で紹介となった.【画像所見】上部消化管内視鏡検査では,頚部食道粘膜に潰瘍を認めこれより肛門側に連続性に腹部食道の直上まで粘膜下に膿瘍形成と思われる波動性の液体貯留を認めた.CT検査では頚部食道右側に魚骨を認め,内視鏡所見を裏づけするように食道粘膜下にほぼ全長に及ぶ膿瘍形成を認めた.【治療】右頚部に切開を加えたが膿瘍形成は認めず同部より外科的に魚骨を摘出した後,ドレナージを目的として内視鏡的に粘膜切開を全長にわたって施行した.膿が食道内腔に噴出し可及的に吸引・排液を行った.炎症反応は速やかに軽快し,術後7日目より経口摂取を開始し17日目に自宅退院となった.【結語】非常にまれな食道全長に及ぶ粘膜下膿瘍を経験し,内視鏡下粘膜切開により速やかに軽快が得られた.
索引用語 食道粘膜下膿瘍, 粘膜切開