セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-症例3

タイトル 内P-542:

トリアムシノロン局注を併用した内視鏡的食道拡張術が有効であった食道狭窄の1例

演者 岡本 豊(むつ総合病院・内科)
共同演者 佐竹 美和(むつ総合病院・内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 佐竹 立(むつ総合病院・内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 岩間 正浩(むつ総合病院・内科), 樋口 博之(むつ総合病院・内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 對馬 清人(むつ総合病院・内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 安達 淳治(むつ総合病院・内科DELIMITER弘前大大学院・消化器血液内科学), 八森 久(むつ総合病院・内科), 相馬 悌(むつ総合病院・内科), 福田 眞作(弘前大大学院・消化器血液内科学)
抄録 【はじめに】一般的に食道狭窄に対し,内視鏡的バルーン拡張術(EBD)が施行されているが,EBD単独では狭窄の解除を得るまでに,頻回で長期にわたる処置が必要となる事が多い.今回,EBD単独で狭窄解除できなかった食道狭窄症例に対し,トリアムシノロン局注を併用したEBDが有効であったため,報告する.【症例】77歳男性【主訴】食後のつかえ感【既往歴】45歳 尿管結石【現病歴】平成24年4月 食道管腔の約3/4周をしめる早期食道癌(0-IIb)に対し,食道全周切除術(ESD)を施行した.病理結果はSCC,EP~LPM,ly(-)v(-),HM0VM0で根治切除であった.食道狭窄はほぼ必発と考えられ,切除直後,切除5,8,12日目にトリアムシノロン局注を施行した.その後経過良好であったが,同年8月から食後のつかえが出現し,EGDで食道全周切除後の瘢痕部に限局性狭窄を認めた.【経過】良性の瘢痕狭窄と考えられ,8月から週1回の頻度でEBDを施行していった.計5回のEBDを施行するが,狭窄は全く改善しなかった.そこで6回目のEBD後に亀裂部の粘膜下層をねらいトリアムシノロン局注を追加した.その1週後のEGDでは狭窄は著明に改善し,現在まで狭窄をきたさず,経過良好である.【結語】トリアムシノロン局注を併用したEBDが有効であった食道狭窄の1例を経験した.トリアムシノロンの長期にわたる局所停滞率が狭窄解除に有用であったものと考えられた.これから,慢性期の食道狭窄に対して,トリアムシノロン局注を併用したEBDは有用な治療の選択肢となっていくものと考えられた.
索引用語 食道拡張, トリアムシノロン局注