セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-症例3

タイトル 内P-543:

経皮経胃管ガイドワイヤー挿入にて食道ステント留置可能となった1例

演者 萩原 信敏(日本医大・外科)
共同演者 松谷 毅(日本医大・外科), 中澤 賢(日本医大付属病院・放射線科), 小野澤 志郎(日本医大付属病院・放射線科), 野村 務(日本医大・外科), 上田 康二(日本医大・外科), 加藤 俊二(日本医大・外科), 藤田 逸郎(日本医大・外科), 金沢 義一(日本医大・外科), 小野寺 浩之(日本医大・外科), 内田 英二(日本医大・外科)
抄録 【はじめに】食道癌による食道狭窄に対して,食道ステント留置によりQOLの改善が図られる場合が多いが,留置の際の合併症は考慮するべき事項である.近年は,ステント留置操作時の合併症は以前と比較して低下している.しかしながら,癌による高度の狭窄や広範囲な腫瘍壊死などの特殊な症例では,現在でも留置に難渋する場合が少なくない.今回,我々は通常の上部内視鏡を用いた食道ステント挿入が不可能であった症例に対して,放射線科と共同でInterventional Radiology(IVR)を応用して,逆行性にガイドワイヤーを挿入し食道ステントを留置できた症例を経験した.【症 例】56歳,男性【主 訴】嚥下障害【現病歴】頸胸部食道癌に対して術前化学療法後に食道切除術,胃管・遊離空腸再建施行.局所再発による嚥下障害が強くなり,頸胸部の吻合部に高度の狭窄を認めた.【各種検査所見】上部内視鏡検査:食道入口部より切歯20cmに狭窄部あり,ファイバーの通過は不可能.CT検査:頸胸部に軟部影を認め,局所再発を疑う所見.食道造影検査:頸胸部領域に高度の狭窄部あり,造影剤は通過不良.【治療経過】高度狭窄による嚥下障害に対して上部内視鏡を用いて留置を試みるも,肛門側への通過は不可能であった.狭窄部の拡張を行ったが,ステント挿入のための肛門側内腔の確認はできなかった.IVRの手技を応用して剣状突起足側から経皮経胃管的に穿刺を行い,ガイドワイヤーを胃管内に挿入.ガイドワイヤーを逆行性に腹部から狭窄部を超えて口腔内まで誘導.腹部から誘導したガイドワイヤー越しに,狭窄部を超えてステントを挿入可能となり合併症無く,食道ステント挿入可能であった.【まとめ】食道癌術後再発による高度狭窄により,順行性に食道ステントが挿入不可能であった症例に対して,IVRによる応用手技により逆行性にガイドワイヤーを挿入して安全に食道ステント留置可能であった.
索引用語 食道ステント, IVR