セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-診断

タイトル 内P-552:

経鼻用極細径内視鏡による食道癌術後再建臓器の粘膜血流評価

演者 岡本 健志(山口大大学院・消化器病態内科学)
共同演者 西川 潤(山口大大学院・消化器病態内科学), 西村 純一(山口大大学院・消化器病態内科学), 中村 宗剛(山口大大学院・消化器病態内科学), 五嶋 敦史(山口大大学院・消化器病態内科学), 北原 正博(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 兼清 信介(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 渡邊 裕策(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 武田 茂(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 吉野 茂文(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 岡 正朗(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 坂井田 功(山口大大学院・消化器病態内科学)
抄録 【目的】食道癌術後の再建臓器(胃管,遊離空腸等)の壊死は稀であるが,重篤な合併症である.我々は再建臓器の血流を評価する目的で,極細径内視鏡を用いて食道癌術後の再建臓器の粘膜を観察している.本検査法の実行可能性や有用性について後ろ向きに検討した.【方法】2009年7月から2012年12月の間に,当大学消化器腫瘍外科にて食道癌に対して食道切除を施行し,術後に内視鏡検査を施行した61例(胃管54例,遊離空腸6例,結腸1例)を対象とした.食道癌手術翌日に,気管挿管下,経鼻胃管挿入下にて,経鼻用極細径内視鏡(オリンパス社製XP260NまたはXP260NS,あるいはPENTAX社製EG16-K10)を経口挿入し,再建臓器の粘膜の色調を観察した.【成績】経鼻用極細径内視鏡を用いることにより,気管挿管チューブや経鼻胃管と干渉せずに挿入できるメリットがあった.また,細径であるため,吻合部も容易に通過でき,全例において再建臓器の粘膜の色調を観察できた.検査に伴う合併症は認めなかった.61例中60例(98%)は再建臓器の粘膜の色調は良好であり,術後経過中に壊死に陥ることはなかった.遊離空腸再建の1例では粘膜面の色調が暗赤色で明らかな虚血状態と診断でき,再手術が行われた.【結論】経鼻用極細径内視鏡を用いることで,安全に内視鏡的に食道癌術後再建臓器の血流が評価でき,有用であると考えられた.
索引用語 経鼻内視鏡, 食道癌手術