セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-ESD2

タイトル 内P-566:

当院における食道ESD施行時プロポフォール鎮静の検討

演者 辻 俊史(京都府立医大附属病院・消化器内科)
共同演者 八木 信明(京都府立医大附属病院・消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】近年,ESDにおけるデバイスの向上や治療技術の進歩により,食道におけるESD治療数は増加の一途である.更に,食道ESDにおいては安全に治療を行うために,適切な麻酔深度で鎮静を行うことが重要と考えられる.今回,我々は当院で施行した食道ESDにおける鎮静剤の投与方法の違いによる有効性を検討した.【方法】当院においてこれまでに施行した食道ESD患者58例(2012-2013)を,鎮静方法の違いによりミタゾラム投与群(Group1:22例),ミタゾラムからプロポフォールへの変更投与群(Group2:23例),プロポフォール投与群(Group3:13例)に分けて検討を行った.各群の背景因子として,平均年齢,飲酒量(アルコール摂取量g)などを検討し,また治療時の評価因子として,一括切除率,治療時間,偶発症の有無などを用いて評価を行った.【成績】各群の平均年齢(Group1,2,3:69.9歳,73.4歳,71.9歳),一括切除率(Group1,2,3:100%,100%,100%),偶発症発生率(Group1,2,3:0.05%,0.04%,0.07%)については有意差を認めなかった.平均飲酒量は,Group2(20.7g),Group3(24.1g)においてGroup1(8.0g)と比較し有意に増加していた(p<0.05).治療時間においては,Group1(52分),Group3(63分)と比較しGroup2(92分)において治療時間の延長を認めた(p<0.05).このことはミタゾラムによる脱抑制により,鎮静効果が不十分となったためではないかと考えられる.【結論】我々の検討では,プロポフォール使用においてミタゾラム投与と同等の有効性を認めた.また,背景因子として飲酒量が多い患者においてはミタゾラム投与無効例が多く,飲酒量がGroup2,3の平均値以上の際は治療当初からプロポフォール投与が有効であると考えられた.
索引用語 プロポフォール, 飲酒量