セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-ESD2

タイトル 内P-567:

食道ESD後狭窄予防に対するプレドニゾロン・アルギン酸ナトリウム(PAG)経口投与の有用性

演者 濱本 英剛(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター)
共同演者 三宅 直人(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 長南 明道(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 二瓶 公佑(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 青木 隼人(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 西条 勇哉(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 中條 惠一郎(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 奥薗 徹(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 宮下 祐介(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 水野 浩志(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 高橋 佳之(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 羽根田 晃(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 佐藤 俊(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 高林 広明(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 三島 利之(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 松田 知己(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 中堀 昌人(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター), 石橋 潤一(仙台厚生病院・消化器内視鏡センター)
抄録 【はじめに】食道ESDの普及により腫瘍径の大きな病変も一括切除が可能になった.しかし,一方で3/4周以上の広範囲剥離例では術後狭窄への対策が必要であり,頻回の内視鏡的バルーン拡張術を要することも多い.術後狭窄に対する予防法はステロイド局注とステロイド内服が報告されているが,ステロイド局注は穿孔のリスクがあるとされている.また,ステロイド内服はプレドニゾロン0.5mg/kg/日から開始し漸減するが,高血糖などの副作用への対応も必要である.そこで,今回我々はアルギン酸の潰瘍への付着効果とステロイドの局所作用を期待し,少量のステロイド投与による狭窄予防効果を検討した.【対象と方法】2004年3月から2012年8月までに食道癌に対してESDを施行した症例のうち3/4周以上の広範囲剥離例13例を対象とした.プレドニゾロン散5mgとアルギン酸ナトリウム 30ccの懸濁液(PAG)の内服を行った5例(PAG群)と行わない8例(非PAG群)において,バルーン拡張を要した例の割合と拡張回数を比較検討した.なお,PAGはESD翌日から28日間経口投与した.狭窄の基準は最大径10.4mmの内視鏡が通過しないこととした.今回の検討症例のうち,PAG群は欠損粘膜が3/4~7/8周が0例,7/8周以上が5例であった.非PAG群は欠損粘膜が3/4~7/8周が5例,7/8周以上が3例であった.【成績】バルーン拡張を要した症例の割合は PAG群が40%(2/5),非PAG群が 100%(8/8)であった.平均拡張回数はPAG群が3.2回,非PAG群が6.6回 であった.なおPAG群に高血糖,高血圧,易感染性などの有害事象は認めなかった.【考察】今回,我々の考案したPAG法は狭窄予防効果に加え,手技的に簡便であり,少量のステロイド投与により副作用が少なく有用と考えられた.今後症例数を検討しさらに検討する予定である.
索引用語 食道ESD, 狭窄