セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-GERD/静脈瘤

タイトル 内P-569:

当院における重症型逆流性食道炎症例の現状

演者 井田 智則(大森赤十字病院・消化器内科)
共同演者 河野 直哉(大森赤十字病院・消化器内科), 芦苅 圭一(大森赤十字病院・消化器内科), 天野 由紀(大森赤十字病院・消化器内科), 関 志帆子(大森赤十字病院・消化器内科), 高橋 昭裕(大森赤十字病院・消化器内科), 千葉 秀幸(大森赤十字病院・消化器内科), 諸橋 大樹(大森赤十字病院・消化器内科), 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】本邦では逆流性食道炎(Reflux esophagitis ; RE)症例の大半はLos Angeles (LA)分類のgrade A, Bである.近年,LA分類grade C,Dに相当するいわゆる重症型のRE症例が増加傾向にあるが,その臨床的特徴は不明な点も少なくない.【目的】当院における重症型RE症例の患者背景と臨床的特徴を検討した.【対象と方法】2010年5月から2012年12月にかけて,当院にて内視鏡的にLA分類grade CまたはDと診断された重症型のRE症例80例のうち,胃切除術例を除いた73例(平均年齢71.6±12.6歳,男性48例,女性25例)を対象とし,高齢者群(65歳以上)と非高齢者群(65歳未満)において,患者背景,服用薬剤の内訳,内視鏡所見について比較検討した.また対象を合併症(出血,狭窄,潰瘍)の有無別で有合併症群と無合併症群に別け同様に比較検討した.【結果】重症型REの51%は自覚症状に乏しく,92%で食道裂孔ヘルニアを有し,73%で胃粘膜萎縮が軽度(木村・竹本分類のClose type)であった.また対象の38%に合併症を認めた.年齢別の検討では,非高齢者において愛煙家,大酒家が多く,高齢者では亀背,全身状態不良例が有意に多かった.合併症有無別での検討では,有合併症群で性差がなく,平均年齢が高い傾向を認めた.また亀背例,全身状態不良例が多かった.内視鏡所見では有意な差を認めなかった.服用薬剤において,有合併症群で脳神経・精神病治療薬服用者が有意に多かった.以上,文献的考察も含め報告する.
索引用語 重症型, 逆流性食道炎