セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-GERD/静脈瘤

タイトル 内P-575:

小児における食道胃静脈瘤内視鏡治療

演者 江森 啓悟(久留米大・消化器内科)
共同演者 井上 博人(久留米大・消化器内科), 春田 剛(久留米大・消化器内科), 於保 和彦(柳川病院・内科), 豊永 純(安本病院), 鶴田 修(久留米大・消化器病センター内視鏡診療部門), 佐田 道夫(久留米大・消化器内科)
抄録 【目的】現在,小児における食道胃静脈瘤内視鏡治療は施設ごとに違いがあり,確立された治療指針はない.今回,当科にて内視鏡治療を施行した小児の食道胃静脈瘤症例について検討を行なった.
【対象・方法】1992年6月から2013年2月までに内視鏡治療を施行した14例(男児6例,女児8例).初回治療時の年齢は10ヶ月から10歳,うち2歳以下が8例であった.基礎疾患は先天性胆道閉鎖症12例,肝外門脈閉塞症1例,原因不明の胆汁鬱滞性肝硬変症1例で,治療時期は緊急・待期例6例,予防例8例であった.予防的治療の適応はF2以上でRC sign陽性の食道静脈瘤,RC sign陽性の胃静脈瘤とした.治療は原則として気管内挿管下・全身麻酔下で行った.治療法は全例EISで,5%EOIの血管内注入および供血路の描出を目標とした.
【成績】EISを施行した回数は計5.4±2.6回,平均観察期間は98.5±63ヶ月であった.経過観察中に出血再発をきたした症例は7例で,緊急・待期例3例,予防例4例であったが,出血が死因となった症例は認めなかった.
【結論】小児における食道胃静脈瘤内視鏡治療は,原則的に全身麻酔下のため侵襲面からも集中的な治療を行いにくく,また基本的に地固め治療を行っていないため,高頻度の再発は避けられず慎重な経過観察が必要である.しかし自験例では出血死亡例は1例もなく,内視鏡治療は予後の改善に寄与していると考えられた.
索引用語 小児, 食道胃静脈瘤