セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-治療

タイトル 内P-579:

食道アカラシアに対するPOEM手術の治療成績

演者 奥島 憲彦(ハートライフ病院・外科)
共同演者 宮城 良浩(ハートライフ病院・外科), 国吉 史雄(ハートライフ病院・外科), 高橋 遼(ハートライフ病院・外科), 村山 茂美(ハートライフ病院・外科), 澤岻 安勝(ハートライフ病院・外科), 花城 直次(ハートライフ病院・外科), 宮平 工(ハートライフ病院・外科), 西原 実(ハートライフ病院・外科), 井上 晴洋(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 南 ひとみ(長崎大・消化器内科)
抄録 [目的]食道アカラシアに対してこれまで腹腔鏡下Heller-Dor手術を行い良好な治療成績を得てきた.今回,井上らの開発した体に傷のつかないPOEM(Per Oral Endoscopic Myotomy),経口内視鏡的筋層切開術を経験したのでその治療成績を報告する.[対象]2011~2013年に当院でPOEM手術を施行した6例.年齢は36~85歳.全例Straight typeで拡張度は1度が2例,2度が4例であった.主訴は嚥下困難6例,胸痛5例,体重減少2例であった.3例はバルーン拡張術後再燃例であった.[方法]POEMは井上らの方法に準じて行った.全麻下にCO2送気下で食道粘膜を切開し,そこから内視鏡を粘膜下層に挿入し三角ナイフを用いて粘膜下層を剥離.粘膜下層のトンネルを胃噴門側まで作成する.その後,食道~胃噴門側の内輪筋だけを約10cm以上切離し,食道粘膜切開部をクリップで閉じる.[治療成績]6例は嚥下困難,胸痛が著明に改善し良好な治療成績であった.10Kg体重減少した方は術後6か月で元の体重にもどった.6例とも術後逆流性食道炎の症状はなく,術後透視や24時間pHモニタリングでも有意な胃食道逆流はなかった.合併症として1例で気腹となった.1例はEGJ近くの食道粘膜熱傷から食道潰瘍を生じ1週間の絶食を行った.1例は経過順調で退院したが外来の食道造影でクリップの脱落,粘膜離開が判明し再クリップ,1週間の絶食を行った.大きな合併症は経験していない.1例が術後経過良好であったが6か月後に嚥下困難,胸痛を訴えたがバルーン拡張術を追加し,以後1年経過良好である.術後2か月~1年10か月の短い観察期間であるが,治療結果は良好で体表に傷もつかないので患者さんの満足度も高い.[結論]POEMは食道アカラシアの治療法としてこれまでの標準術式に劣らない良好な治療成績が得られた.今後食道アカラシアの標準治療法の一つとなると考えられる.
索引用語 POEM, 食道アカラシア