セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

食道-その他

タイトル 内P-581:

胸腔鏡下食道切除術におけるNo.106recL郭清

演者 鈴木 裕(国際医療福祉大病院・外科)
共同演者 屋代 祥子(国際医療福祉大病院・外科), 野呂 拓史(国際医療福祉大病院・外科), 大平 寛典(国際医療福祉大病院・外科), 吉野 肇一(国際医療福祉大病院・消化器内科), 北島 政樹(国際医療福祉大病院・外科)
抄録 【目的】当院では腹臥位での胸腔鏡操作を行っている.開胸手術や側臥位胸腔鏡手術に比し視野の改善は得られるもののNo.106recL郭清は依然として難しい.我々の手技を供覧する.【方法】12mmポートを中腋窩線上第3肋間,後窩線上第5肋間と第7肋間,肩甲骨下角下第9肋間(カメラポート)の4か所に設置し6~8mmHgの気胸を併用.No.106recL郭清の術野確保のためNo.106 rec R郭清終了直後に胸部食道を切離していたが,リンパ節のみ把持して左反回神経から剥離郭清する操作は,リンパ節の損傷と微小ではあるが出血し手術操作に差し支えるため現在食道切離は極力後に行っている.食道の腹側を気管心嚢から,背側を大動脈から食道外膜の層に沿って広く剥離し可動性を得る.さらに気管左側と食道との間を剥離したのち,術者左手で食道を背側に押し上げ,助手がガーゼ越しに気管~右気管支を手前に圧排することで左反回神経周囲の術野が確保される.こつは先の細い剥離鉗子で左反回神経を露出同定し郭清すべき組織を左鎖骨下動脈前面で剥離しつつ食道側につける.この術野の維持が困難な場合には食道を腹側に気管を含めて強く引くと良好な視野が再確保できる.交互に術野を変え大動脈弓から可及的頭側に向けて行う.その後食道を切離すると食道側に郭清すべきNo.106recLが食道側に付着する.この後に尾側のNo.106tbL郭清に向かう.【成績】上記の方法に変えて15例であるが手術時間は胸部操作のみで平均217分,出血量は全操作で220ml.神経温存の確認ができなかった放射線化学療法後の1例に気管切開を要する左反回神経麻痺を認めたのみである.
索引用語 食道癌, 鏡視下手術