セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
食道-その他
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タイトル |
内P-583:細径内視鏡を用いたバルーンカテーテル法による嚥下機能改善の試み
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演者 |
沖山 葉子(丸子中央総合病院・内科) |
共同演者 |
松澤 賢治(丸子中央総合病院・内科), 丸山 和敏(丸子中央総合病院・内科) |
抄録 |
当院では2007年より細径内視鏡を用いた嚥下機能評価に取り組み,のべ149例についてその有用性について検討してきた.今回細径内視鏡を用いた嚥下機能改善を図る治療を試み一定の効果を得られたので,その方法や臨床効果について考察する.症例は79歳男性.平成20年10月弓部大動脈瘤に対する人工血管置換術をうけた際,術後左反回神経麻痺が出現.リハビリテーションをおこなうも平成21年2月から嚥下障害が増悪し嚥下造影検査にて経口摂取は危険と判断され,胃瘻造設を施行された.当院では平成22年10月に初回嚥下内視鏡検査を施行.ゼリー及びペースト食は一口量が増えるとむせを生じ経口摂取は難しい状態であった.従来リハビリテーション手技としておこなわれてきた輪状咽頭筋弛緩不全に対するバルーンカテーテル法は咽頭反射など苦痛を伴う場合が多いため,内視鏡的拡張術の手技を応用することで嚥下機能の改善を図ることが可能ではないかと考え,本症例において内視鏡的輪状咽頭筋拡張術(以下拡張術)を試みた.まず細径内視鏡を経口的に挿入しガイドワイヤーを留置し,一旦内視鏡を抜去したのち右中鼻甲介ルートより再挿入した.下咽頭~喉頭の見える位置に内視鏡を保ち食道拡張用バルーンをガイドワイヤーに沿わせて挿入し,細径内視鏡画像及び透視にて適切な位置を確認しながら食道入口部で拡張術を施行した.特に偶発症なく終了し,施術後食物摂取時のむせの軽減など自覚症状の改善を認めたため,数回にわたりバルーン径を変化させながら拡張術を行った.現在胃瘻からの経腸栄養は継続しながらパン,バナナ,コロッケなどを少量ずつ経口摂取できるようになっている.発症早期のバルーンカテーテル法は治療効果が高いことが知られているが,今回細径内視鏡による拡張術は苦痛が少なく安全に試行でき,また嚥下機能増悪から約2年経過した症例に対しても一定の治療効果が認められることがわかった.今後もさらに症例を増やすとともに今回の症例についても経過観察を行い,検討を深めたい. |
索引用語 |
嚥下内視鏡, バルーンカテーテル法 |