セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

内視鏡的乳頭切除術1

タイトル 内P-584:

十二指腸乳頭部腫瘍に対する内視鏡的乳頭切除手技の工夫とその有用性

演者 美登路 昭(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科)
共同演者 吉田 太之(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 沢井 正佳(奈良県立医大・中央内視鏡・超音波部), 森岡 千恵(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 堂原 彰敏(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 武山 真也(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 佐藤 芳樹(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 塩山 えりか(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 北川 洸(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 古川 政統(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 関 建一郎(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 高木 宏哲(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 大谷 絵美(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 小堤 隆広(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 賀屋 大介(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 辻 裕樹(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 山尾 純一(奈良県立医大・中央内視鏡・超音波部), 福井 博(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科)
抄録 【目的】内視鏡的乳頭切除術では特に高頻度の術後出血の合併が問題となる.当科では切除面の熱変性や挫滅を軽減し,膵胆管ステント留置を容易にするために細径スネアを用い,出血防止のためにエンドカットモードで切除している.手技の実際を呈示し,その有用性を検討する.【対象】対象は,当科にて2004年~2012年に十二指腸乳頭部腫瘍に対して内視鏡的乳頭切除を施行した12例(男性6例,女性6例,平均年齢67.1才).【方法】適応は,術前生検にてGroup3あるいは4で,超音波内視鏡検査で十二指腸固有筋層が保たれている病変である.施行にあたり,局注は施行しない.血圧は積極的に降圧剤を用いて正常域とする.スネアはオリンパス社製のSD-7P-1(ワイヤ径0.3mm)で,エルベ社製ICC200を用いて,endocut120W, effect2で切除する.切除後に膵炎,胆管炎予防目的にて膵管ステント,胆管ステントを留置する.切除成績,合併症を検討し,手技の有用性を評価した. 【成績】通電時間は3~10秒で,一括切除は10例(83%),最終診断は腺癌1例,腺腫10例,Peutz-Jeghers polyp 1例.切除断端陽性が5例(41.7%).遺残は2例(16.7%)で,1例は高度異型を伴っており,家族性大腸腺腫症例であるため外科手術を追加,もう1例は再度内視鏡的に切除した.残りの10例は平均観察期間50ヶ月で遺残再発を認めていない.膵管ステントは全例に,胆管ステントは11例(91.7%)に留置した.早期合併症として胆管炎を1例,術後膵炎を1例に認めたが,出血例はなかった.1例は後期合併症として術後6-72ヶ月の間に5回急性膵炎を発症した.【結論】細径スネアを用いたエンドカットモードでの内視鏡的乳頭切除術は,出血の予防に有用である.遺残を減少させるにはさらなる工夫が必要である.
索引用語 十二指腸乳頭腫瘍, 内視鏡的乳頭切除術