セッション情報 |
ポスターセッション(消化器内視鏡学会)
内視鏡的乳頭切除術1
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タイトル |
内P-586:内視鏡的十二指腸乳頭部腫瘍切除術の治療成績
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演者 |
藤田 祐司(横浜市立大附属病院・消化器内科) |
共同演者 |
中島 淳(横浜市立大附属病院・消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大附属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】完全生検として行われる内視鏡的十二指腸乳頭部腫瘍切除術(EP)は,低侵襲的な手技であり,早期癌への適応も拡大している.しかし,本手技は,比較的合併症が高く,長期成績も不明である.今回,当科で施行したEPについて治療成績を検討し,問題点を考察した.【対象】2006年4月より2013年3月までに行ったEP48例.男女比34:14,平均年齢62歳,平均腫瘍径14.5mm(8~30mm)であった.【適応】術前内視鏡生検で腺腫,または癌の疑いと診断され.画像診断で膵浸潤,膵管,胆管内浸潤を認めない.【手技から経過観察まで】術前診断はMulti-detector CT(MDCT),EUS,IDUS,ERCPを行った.EPは13mmもしくは20mmのスネアーを用いて行いendo cut modeで一括切除を行った.術後膵炎,胆管炎予防のため,膵管ステント5Fr,胆管ステント7Frを留置した.最後に小帯肛側の切開面が大きい場合は,止血クリップで縫縮した.止血クリップは透視下でdeviceを展開,装着した.経過観察はMDCTと内視鏡を6か月おきに行った.腺腫は2年間,癌は5年間を観察期間とした.【成績】42例で一括切除が可能であり,6例は分割切除を行った.早期癌は13例であった.術前生検の一致率は72.9%(35/48)であった.4例は断端陽性であり,追加切除,焼灼術を追加した.合併症率29.2%(14/48)であった.出血7例のうち2例は動脈塞栓術を行った.膵炎を合併した6例中5例は,保存的に治療可能であったが,膵管狭窄を呈した1例は,超音波内視鏡ガイド下の膵管ドレナージを行った.穿孔3例中2例は,クリッピングのdeviceが原因と考えられ,乳頭部対側に3-5mmの穿孔部位を認め,腹膜炎となった.緊急手術が行われた.平均観察期間3年の中で,癌の再発は認めなかったが,腺腫3例6.3%(3/48)に再発を認め,2例は再切除,1例に焼灼を行った.【結語】EPは完全生検として有用である.早期癌でもEPは治療の選択肢となる可能性がある.しかし合併症が多く,外科と連携した合併症対策が必要である.また現行の止血deviceの改良が急務である. |
索引用語 |
内視鏡的乳頭切除術, 合併症 |