セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUS-FNA1

タイトル 内P-597:

EUS-FNAが診断確定に有用であった転移性膵腫瘍3例

演者 麻生 暁(九州大・病態制御内科)
共同演者 小副川 敬(九州大・病態制御内科), 新名 雄介(九州大・病態制御内科), 田中 紘介(九州大・病態制御内科), 大野 隆真(九州大・病態制御内科), 伊原 栄吉(九州大・病態制御内科), 久保 宏明(九州大・病態制御内科), 五十嵐 久人(九州大・病態制御内科), 中村 和彦(九州大・病態制御内科), 伊藤 鉄英(九州大・病態制御内科), 高柳 涼一(九州大・病態制御内科), 高橋 俊介(九州大・形態機能病理学), 瀧澤 延喜(九州大・形態機能病理学), 長田 美佳子(九州大・形態機能病理学), 相島 慎一(九州大・形態機能病理学)
抄録 転移性膵腫瘍は膵腫瘍の中で比較的稀で,画像所見も多岐にわたることから診断に難渋することも事も多い.また転移性膵腫瘍に対する超音波内視鏡(EUS)や超音波内視鏡下穿刺術(EUS-FNA)の報告例は極めて少ない.今回我々はEUS-FNAにより診断確定可能であった転移性膵腫瘍3例を経験したので報告する.症例(1)は70歳台,男性.6年前に肝細胞癌(HCC)と診断され,肝切除が行われたが以後再発に対して内科的治療を繰り返していた.2010年CTにて膵頭部に早期濃染される腫瘤を指摘された.EUSでは膵頭部とbeak sign陽性の25mm大の境界明瞭,内部均一,多血性の低エコー腫瘤を認めた.症例(2)は70歳台,女性.9年前に右腎細胞癌(RCC)に対して腎摘出術が行われた.1年前からCTにて膵頭部に早期濃染される腫瘤が増大傾向を認めるため紹介となった.EUSでは膵頭体移行部に20mm大の境界明瞭,内部均一,多血性の低エコー腫瘤を認めた.症例(3)は70歳台,男性.肺癌の精査中,血液検査にて血清アミラーゼの上昇ならびに腹部エコーにて膵頭部に10mm大の腫瘤を指摘され紹介となった.EUSでは膵全体に多発する10mm前後の境界不明瞭で乏血性の低エコー腫瘤を認めた.EUS画像では(3)は腫瘤が多発していることや病歴より転移性膵腫瘍が最も鑑別に挙げられたが,(1)(2)は単発で多血性であることより膵内分泌腫瘍との鑑別が問題になった.確定診断は困難でありEUS-FNAが施行されそれぞれ(1)HCC(2)RCC(3)肺癌からの転移と診断された.EUS-FNAで得られた検体を免疫組織学的に検討することで,画像所見のみでは鑑別が困難である膵原発の腫瘍との鑑別が可能であった.若干の文献的考察を加え報告する.
索引用語 転移性膵腫瘍, EUS-FNA