セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUS-FNA1

タイトル 内P-598:

膵癌に対するEUS-FNAの詳細検討

演者 佐藤 高光(横浜市立大・消化器内科)
共同演者 関野 雄典(横浜市立大・消化器内科), 渡邉 誠太郎(横浜市立大・消化器内科), 細野 邦広(横浜市立大・消化器内科), 小林 規俊(横浜市立大・消化器内科), 前田 愼(横浜市立大・消化器内科), 中島 淳(横浜市立大・消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大・消化器内科)
抄録 【目的】1992年に開始された超音波内視鏡ガイド下針生検術(EUS-FNA)は膵癌の治療前histological evidenceを得る診断法として確立してきている.自験例を用いて手技の実態を詳細に解析した.【方法】最近7年間に膵癌を疑った199件194例(男女比110:84,平均67.5歳)を対象とした.膵癌の診断感度および合併症について年度,穿刺経路(経胃,経十二指腸),サイズ,腫瘍種類(本体,リンパ節),穿刺針,セッション数の項目で検討し,ERCP検体のそれと比較した.膵癌の診断はまずMDCTを施行し,原則としてERCPにて癌が陰性の症例でFNAを施行した.使用機種はオリンパス社製UCT2000/UCT260,穿刺吸引圧は10ml,1回のセッションで2009年までは5~15 stroke,2010年以降は20 strokeで施行した.膵癌の診断の定義は,病理で膵癌として治療方針が確定したものとした.【結果】膵癌に対してFNAにおける診断感度80.4%,細胞診感度:組織診感度は74.9%:50.8%,特異度はいずれも100%であった.年度別の診断感度は2006~2009年:2010年~2013年で71.4%:83.3%,穿刺経路別では経胃:経十二指腸で87.0%:75.0%,サイズ別では2cm以下:2cm以上で50.0%:83.2%であった.腫瘍の描出が不能であり所属リンパ節生検にて診断がついた例が8例ありその感度は80.0%であった.穿刺針別では22G:25Gで72.7%:81.9%であったが,組織診感度は54.8%:30.3%と22Gが優った.セッション数では1~3回:4回以上で75%:89.6%でありカットオフは4回であった.EUS-FNAの合併症は7例(3.5%)であり1例腹膜播種を認めた.膵癌に対するERCPによる細胞診の感度は36.5%であり,合併症はERCP後膵炎が12.3%に認められ,ともにEUS-FNAが優った.( p<0.05)【結語】膵癌の診断においてEUS-FNAは有用な検査であり,20strokeのFNAは正診率の向上に寄与する.課題として経十二指腸穿刺,2cm以下の小膵癌,組織診診断能が挙げられる.25Gの穿刺針でも診断は充分に可能であるが組織診診断能に劣る.
索引用語 膵癌, EUS-FNA