セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)EUS-FNA1 |
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タイトル | 内P-599:EUS-FNAとERCPの膵悪性腫瘍に対する診断能についての検討 |
演者 | 野間 康宏(岡山大病院・消化器内科) |
共同演者 | 加藤 博也(岡山大病院・消化器内科), 堤 康一郎(岡山大病院・消化器内科), 原田 亮(岡山大病院・消化器内科), 堀口 茂(岡山大病院・消化器内科), 榊原 一郎(岡山大病院・消化器内科), 山本 直樹(岡山大病院・消化器内科), 岡田 裕之(岡山大病院・消化器内科), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】膵腫瘍性病変におけるEUS-FNA(以下FNA)とERCPの同日施行に関する安全性と有用性について検討を行い,膵悪性腫瘍に対する診断能について検討した.【方法】H21年6月よりH24年8月までの期間に,画像的に膵腫瘤性病変が疑われた133症例に対してFNAとERCPを同日に施行し,それぞれ全症例に対して細胞診を施行し,膵悪性腫瘍に対する病理診断能について検討を行った.【結果】対象患者の平均年齢は64.6歳,男女比は81:52.病変部位は膵頭部64例,膵体部50例,膵尾部19例.合併症を12%に認め,すべて膵炎であったが,いずれも保存的加療にて軽快した.単変量解析で,合併症の有意な危険因子は認めなかった.最終診断は膵癌97例,膵内分泌腫瘍15例,慢性膵炎8例,AIP6例,その他7例.全症例について検討すると,FNA単独の感度(%)は88.9%,ERCP単独では46.5%で,FNAの方がERCPより優位に感度が高かった.EUS-FNAとERCPの組み合わせでは91.9%で,有意差はないもののFNA単独よりも感度が高かった.部位別に診断能を検討したところ,膵頭部病変(64例)ではEUS-FNA単独では86.7%,ERCP単独では44.4%であったが,FANとERCPの組み合わせでは,91.1%で,有意差はないものの診断能の上乗せを認めた.一方,膵体尾部病変(69例)ではFNA単独の感度は92.6%,ERCP単独では48.1%で,FNAとERCPの組み合わせは,FNA単独と比べて感度は変わらなかった.【結論】膵悪性腫瘍に対するERCPとFNAの診断能について,ERCPと比較してFNAは有意に感度が高かった.病変の部位別検討では,膵頭部病変では有意差はないもののFNAとERCPの組み合わせで感度の向上が認められ,またドレナージを必要とする症例が多いことから,FNAとERCPの組合せが有用であることが示唆された.しかし,膵体尾部病変については,FNA単独での感度が高く,FNAとERCPを組み合わせても感度の向上が認めらなかったことから,ERCPは必ずしも必要ではないことが示唆された. |
索引用語 | EUS-FNA, 膵腫瘍 |