セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUS-FNA1

タイトル 内P-600:

内視鏡医主導の膵腫瘤に対するEUS-FNAにおける迅速細胞診の有用性について

演者 田村 崇(和歌山県立医大・2内科)
共同演者 上田 和樹(和歌山県立医大・2内科), 寺田 弘子(和歌山県立医大・2内科), 糸永 昌弘(和歌山県立医大・2内科), 山下 泰伸(和歌山県立医大・2内科), 前田 浩紀(和歌山県立医大・2内科), 前北 隆雄(和歌山県立医大・2内科), 井口 幹崇(和歌山県立医大・2内科), 玉井 秀幸(和歌山県立医大・2内科), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医大・2内科)
抄録 【目的】膵腫瘍に対して行うEUS-FNAによって採取できる組織量は微小であり,組織診断に苦慮するため,迅速細胞診により,細胞が採取されていることを証明することは診断率の向上に繋がると考える.細胞技師によるOn siteでの迅速細胞診が望ましいが,人的配置は困難な状況である.膵腫瘍に対してEUS-FNAを行った症例で内視鏡医主導の迅速細胞診の有用性について検討した.【方法】2009年1月から2013年2月(2012年8月より迅速細胞診導入)期間に,膵腫瘤に対しEUS-FNAを施行した症例で確定診断を得た141例中,迅速細胞診を行った33例をA群,迅速細胞診を行っていない111例をB群に分け,穿刺時間,穿刺回数,正診率,合併症について検討した.【結果】A群の平均年齢66歳,男性/女性21/12例,平均腫瘍径32mm.最終診断は,膵管癌/膵腺房細胞癌/内分泌腫瘍/自己免疫性膵炎/腫瘤形成性膵炎/その他が21例/1例/2例/3例/3例/3例.平均穿刺回数は3.27回,平均穿刺時間は26.3分.膵腫瘍の正診率86%.合併症は1例で3%.B群の平均年齢67歳,男性/女性63/38例,平均腫瘍径36mm.最終診断は,膵管癌/膵腺房細胞癌/内分泌腫瘍/自己免疫性膵炎/腫瘤形成性膵炎/その他が81例/4例/1例/8例/10例.平均穿刺回数2.6回,平均穿刺時間は15.5分.膵腫瘍の正診率は,77.3%.合併症は5例で4%.B群と比較してA群での穿刺時間,穿刺回数は増加したが,合併症に差はなく,正診率は9%の上昇を認めた.【結語】EUS-FNA時の迅速細胞診の導入により,穿刺回数,穿刺時間の増加したが,合併症の差はなく,正診率の上昇が認められた.導入後7ヵ月であるが,内視鏡医主導の迅速細胞診は診断率の向上に繋がった.更に経験を積むことによって,穿刺回数,穿刺時間の短縮が期待できると考える.
索引用語 EUS-FNA, 迅速細胞診