共同演者 |
栗山 勝利(京都大附属病院・消化器内科), 佐久間 洋二郎(京都大附属病院・消化器内科), 南 竜城(京都大附属病院・消化器内科), 田邊 渉(京都大附属病院・消化器内科), 大田 悠司(京都大附属病院・消化器内科), 丸野 貴久(京都大附属病院・消化器内科), 塩川 雅広(京都大附属病院・消化器内科), 栗田 亮(京都大附属病院・消化器内科), 辻 喜久(京都大附属病院・消化器内科), 宇座 徳光(京都大附属病院・消化器内科), 児玉 裕三(京都大附属病院・消化器内科), 千葉 勉(京都大附属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】EUS-FNAは腫大リンパ節に対する悪性腫瘍のStagingや再発の有無確定などに有用とされている.今回,当院でのリンパ節に対するEUS-FNAの有用性を検討した.【方法】対象は当院で2009年4月-2013年1月にリンパ節に対しEUS-FNAを施行した76例107病変(原疾患で悪性腫瘍確定あり73例, 原因不明リンパ節腫大3例)で, 1)対象の内訳, 2)診断能, 3)正診群と非正診群の比較, 4)偶発症につき検討した.2群間の比較はp<0.05で有意差ありとした.【結果】1) 長径:14.8(7-50)mm, 短径:7.1(2-50)mm(いずれも中央値), 部位: 大動脈周囲: 82,肝門部: 10,その他: 15, 穿刺針: 22G: 58, 25G: 46, 19G: 3, 穿刺経路: 経胃66, 経十二指腸39, 経食道2, 穿刺回数中央値: 2(1-4)回.最終診断は悪性腫瘍のリンパ節転移:47病変(膵癌19, 肝内胆管癌9, 胆嚢癌9, 肝外胆管癌2, 大腸癌2, 肺癌2, 乳癌2, 肝門部胆管癌1, 膵内分泌癌1), 悪性腫瘍再発: 3病変(膵内分泌癌2, 膵癌1), 悪性リンパ腫: 1病変, 良性リンパ節腫大:56病変.2) 細胞診)検体採取率:86.0%(92/107),感度: 83.7%(41/49),特異度: 100%(43/43), 正診率:91.3%(84/92), 組織診) 検体採取率: 85.0%(91/107),感度: 83.3%(35/42),特異度: 100%(49/49),正診率: 92.3%(84/91), 細胞診+組織診) 感度: 87.8%(43/49), 特異度: 100%(49/49), 正診率: 93.9%(92/98: 不適正検体除く).3) 非正診群(15病変)は正診群(92病変)に比し大動脈周囲病変が有意に多く,また悪性病変に限定して2群を比較すると, 非正診群は正診群に比し大動脈周囲, 小病変を有意に多く認めた.4)スコープ接触にて噴門部裂創,出血を1例(1.3%)に認めたが内視鏡的処置で対応可能であった.【結論】リンパ節に対するEUS-FNAは切除不能症例の手術回避など治療方針決定に有用であり,今後は大動脈周囲の小リンパ節に対する診断能の改善を図る必要があると思われた. |