セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUS-FNA3

タイトル 内P-607:

EUS-FNAサンプルに対する標的検体確認照明器(Target sample check illuminator )の臨床応用

演者 松本 和也(鳥取大附属病院・消化器内科)
共同演者 植木 賢(鳥取大附属病院・次世代高度医療推進センター), 原田 賢一(鳥取大附属病院・消化器内科), 武田 洋平(鳥取大附属病院・消化器内科), 斧山 巧(鳥取大附属病院・消化器内科), 堀江 靖(鳥取大附属病院・病理部), 八島 一夫(鳥取大附属病院・消化器内科), 村脇 義和(鳥取大附属病院・消化器内科)
抄録 【背景】最近では,膵腫瘤の診断にEUS-FNAが広く用いられている.EUS-FNAでの採取検体は微小で,かつ血液と混入していることが多く,サンプル中の標的検体の有無を肉眼的に判断することが困難なことが多い.酸化ヘモグロビンには,540 nmと585 nmに2 つのピークがあるので,特異的に吸収される波長を検索するために,各単波長のLED光を照射して,標的検体の存在を明らかにするために最適な条件をイヌの膵臓検体を用いて検索した結果,我々は,605nm付近の特定波長を用い透過光で観察することで,標的検体の有無が明瞭になることを確認した.我々は,この知見を元に,標的検体の有無を容易に判別できるデバイス:標的検体確認照明器(Target sample check illuminator:TSCI)を開発した.【目的】膵癌疑い症例に対するEUS-FNAにおいて,TSCIの臨床的有用性について検討した.【対象と方法】対象は,2012年6月より2013年2月までに当院で経験した膵癌疑い症例26例(膵癌23例,非膵癌3例).19G・22G・25Gの穿刺針を用いてEUS-FNAで採取したサンプルもしくはサンプル中の糸ミミズ様の検体を生理食塩水に浸し,TSCIで観察することで,標的検体の存在が確認できるかを検討した.各セッションで検体あり・なしを事前に判定し,病理組織学的結果との一致率を確認した.【結果】TSCIで標的検体ありの部位はオレンジ色,なしの部位は濃茶色に描出された.平均穿刺回数は2.4回(2~4回)で,62サンプルでのTSCIと病理組織との一致率は98.4%であった.癌病変と非癌病変で検出能に差を認めなかった.採取されたサンプルは,いずれも糸ミミズ様で,標的検体の長径は平均3408μm(183~13136μm)であった.【結語】EUS-FNAに対するTSCIの導入は,必要最低限のEUS-FNAで標的検体を採取し,処置を終了できる有用性が確認された.
索引用語 EUS-FNA, 標的検体確認照明器