セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUS-FNA3

タイトル 内P-610:

側孔付き穿刺針 EchoTipR ProCoreTMと従来針の適正検体採取及び診断能に関する比較検討

演者 石田 祐介(久留米大・消化器内科)
共同演者 岡部 義信(久留米大・消化器内科), 安元 真希子(久留米大・消化器内科), 杉山 元(久留米大・消化器内科), 牛島 知之(久留米大・消化器内科), 佐々木 優(久留米大・消化器内科), 多比良 朋希(久留米大病院・病院病理部), 鹿毛 政義(久留米大病院・病院病理部), 鶴田 修(久留米大・消化器内科), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科)
抄録 【背景と目的】超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診組織診(EUS-FNA)は近年本邦でも普及し,治療前診断において重要な位置を占めている.治療方針決定に組織診あるいは免疫染色が必要となる疾患もあり,EUS-FNAには適正な検体の採取が求められている.今回我々は側孔付き穿刺針である EchoTipR ProCoreTM (Cook Medical社製,以下ProCore)と従来針の適正な検体の採取及び組織診断能の比較検討を行った.【方法】2012年7月より当院でEUS-FNAが必要と判断された9症例を対象とした.まず従来針で穿刺を行い,引き続き ProCoreで穿刺を行い適正検体採取の有無及び組織診断能の比較を行った.なお同一症例に対して,ProCoreと従来針で同じ口径を使用している.従来針はEZ Shot (Olympus Medical Systems社製), ExpectTM (Boston Scientific社製), SonoTipR (Medi-Globe社製)を使用した.適正検体採取の評価は,病理標本上の検体量の多寡を細胞検査士と病理医が判定した.なお本検討は当院倫理委員会の承認を得ている.【成績】対象疾患の内訳は,通常型膵癌4例, 膵神経内分泌腫瘍1例, 自己免疫性膵炎2例, 転移性リンパ節腫大1例, 胃粘膜下腫瘍1例であった.穿刺針は口径(25/22/19G)が6/3/0例,従来品(EZ shot/Expect/Sono Tip)が3/5/1例であった.25G針を使用した6例では適正検体採取は2例でProCore>従来針,3例で従来針>ProCore,同等が1例であった.ProCoreによる組織学的診断は5例で行えた.22G針を使用した3例では適正検体採取は2例でProCore>従来針,1例で従来針>ProCoreであった.ProCoreによる組織学的診断は3例で行えた.また全例において偶発症はみられなかった.【結論】側孔付き穿刺針であるProCoreの適正検体量および組織学的診断能は従来針とほぼ同等であった.今回は少数例での検討であり,ProCoreの有用性を活かすための工夫についてさらなる検討が必要である.
索引用語 EUS-FNA, EUS-FNAB