セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUSガイド下ドレナージ

タイトル 内P-613:

当科におけるEUS下Rendezvous法の現状

演者 井元 章(大阪医大・2内科)
共同演者 増田 大介(大阪医大・2内科), 小倉 健(大阪医大・2内科), 瀧井 道明(大阪医大・2内科), 梅垣 英次(大阪医大・2内科), 樋口 和秀(大阪医大・2内科)
抄録 【背景】近年EUSの登場により,胆膵疾患における内視鏡的治療の占める割合はますます増えている.【目的】当科におけるEUS下Rendezvous法の実際とその成績を報告する.【対象】2012年4月~2013年2月までに,選択的胆管挿管が困難であった症例に対してEUS下Rendezvous法を用いて処置を行った7例と,同時期に初回胆管挿管を試みたERCP症例76例の計83例を対象とした.【方法】当科では原則として,膵管ガイドワイヤー法,およびPCWGC(Physician Controlled Wire-Guided cannulation)等を用いても選択的胆管挿管が不能であった症例の次善策としてEUS下Rendezvous法を選択している.EUS下Rendezvous法も不能であった症例では,日を改めるか,経皮的処置に切り替えるかしている.手技成功率,臨床症状改善率,検査時間,偶発症発生率などをRendezvous法群(A群,7例)とERCP群(B群,76例)の2群間で比較した.【結果】A群,B群間で年齢(A 69.4±4.0歳,B 69.1±1.3歳,p=0.94),男女比(男:女,A 6:1,B 48:28,p=0.23),疾患比率(悪性:良性,A 3:4,B 31:45,p=0.92),有症状率(A群59.2%(45/76),B群71.4%(5/7),p=0.52)などの背景因子に差を認めなかった.手技成功率はA群57.1%(4/7),B群88.2%(75/85,これのみA群の7例も含む)とB群で高く(P=0.023),偶発症発生率はA群14.3%(1/7),B群19.7%(15/76)で差がなく(p=0.73),有症状症例における症状改善率はA群40.0%(2/5),B群88.9%(40/45)とB群で高く(p=0.0047),検査時間はA群57.1±7.8分,B群27.1±1.4分とA群で有意に長かった(P=0.0001).【結論】EUS下Rendezvous法は合併症が少なく安全な方法であるが,ERCP単独より時間を要し,成功率が低いことが問題点と考えられた.EUS下Rendezvous法は,経乳頭的胆管挿管が不能な症例に対して考慮すべき方法の一つと考えられた.
索引用語 Rendezvous法, EUS