セッション情報 | ポスターセッション(消化器内視鏡学会)EUSガイド下ドレナージ |
---|---|
タイトル | 内P-614:超音波内視鏡下胆管胃吻合術における金属ステントの腹腔内展開に対するTandem stenting |
演者 | 濱田 毅(東京大・消化器内科) |
共同演者 | 中井 陽介(東京大・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 川畑 修平(東京大・消化器内科), 斎藤 友隆(東京大・消化器内科), 高木 馨(東京大・消化器内科), 渡邉 健雄(東京大・消化器内科), 内野 里枝(東京大・消化器内科), 水野 卓(東京大・消化器内科), 宮林 弘至(東京大・消化器内科), 木暮 宏史(東京大・消化器内科), 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 山本 夏代(東京大・消化器内科), 平野 賢二(東京大・消化器内科), 多田 稔(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 | 悪性胆道閉塞に対するself-expandable metal stent (SEMS)留置は広く行われている.超音波内視鏡下胆管胃吻合術(EUS-guided hepaticogastrostomy [EUS-HGS])は経乳頭的あるいは経十二指腸的に胆管ドレナージが行えない症例での有用性が報告されている.しかし,前方斜視となるconvex型超音波内視鏡ではSEMS展開の観察が不十分となり易く,位置調節が難しい.EUS-HGSにおけるSEMS腹腔内展開に対するトラブルシューティングとして,Tandem stentingを報告する. 症例は72歳の男性.膵癌による胆管・十二指腸閉塞に対してdouble-stentingを施行後,胆管SEMSの閉塞に対する胆管ドレナージ目的で紹介となった.19G穿刺針でB3を穿刺,0.035inchガイドワイヤーを肝門部に誘導した.穿刺経路を通電ダイレーター及び4mm バルーンで拡張後,covered SEMS(10mm径,12cm長)を左肝管から留置.しかし,内視鏡上SEMSが確認できず,透視で腹腔内に展開されたSEMSからの造影剤漏出が確認された.ガイドワイヤーをSEMS内に留置したまま,SEMSのデリバリーシステムを抜去,2本目のSEMSをstent-in-stentで留置,胃側端が胃内であることを確認した.SEMSが腹腔内で展開した後でもガイドワイヤーを胆管内に保持することにより,2本目のSEMS挿入も容易に行えた.造影では腹腔内への漏出は認めなくなった.術後は良好な胆管ドレナージが得られ,原病死するまでSEMS dysfunctionは認めなかった. 特に本症例の様な腹水貯留例では,EUS-HGSでのSEMS展開時に解剖学的に癒着していない肝と胃の距離が離れるため,12cmのSEMSでも腹腔内で展開される可能性があり,SEMSの腹腔内展開はあり得る合併症である.Tandem stentingはこの合併症に対するトラブルシューティング法として有用と考えられた. |
索引用語 | 超音波内視鏡下胆管胃吻合術, 金属ステント |