セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUSガイド下ドレナージ

タイトル 内P-615:

ESBD時代のプレカットの現状:プレカット施行例と困難例について

演者 藤島 裕耕(山本組合総合病院・消化器科)
共同演者 富田 一光(山本組合総合病院・消化器科), 鳥谷 洋右(山本組合総合病院・消化器科)
抄録 【目的】胆膵の診断,治療内視鏡手技において胆管へのアプローチは必須である.胆管アプローチ困難例に対し各種方法が試みられ有用性が報告されている.最近はコンベックス型EUSを用いたESBDなど動向が注目されている.しかしESBDを除いた方法ではプレカットが内視鏡的な最終手段である.当科で胆管挿管困難例に対しプレカットを施行した症例を総括し検討する【方法】1.ノーマルカニューレ(先細カニューレ含)2.スフィンクテレトーム3.膵管ガイドワイヤー法で,胆管アプローチ困難例にプレカットを施行.ナイフ:KD-10Q-1,高周波装置設定:PSD60 エンドカットモード120W,効果2【成績】H.20 .5.-H.24.12.に施行した42例(男性18例,女性24例.平均年齢76.9才)頻度:胆膵内視鏡検査中3.91%(H.20.5.-H22.12:2.5%.H.23.1-:6.5%)病名:胆管結石17例.胆道癌11例.膵腫瘍8例.その他6例.1回の手技の成功率83.3%.施行した理由:乳頭の偏移で正面視困難や開口部不明など.1回目不成功例の理由:スコープがJ字でガイドワイヤー操作難.手技中の出血で胆管粘膜同定不能など.2回目までの成功率97.6%.合併症:輸血を必要とする貧血や,改めて膵炎の治療を要する例はなし【結論】プレカット施行は胆管結石例に多かった.長時間の治療など無理をしなければ合併症なく施行可能な手技と思われる.しかし術中出血があり止血困難例や(術者交代など)プレカットまで時間がかかり乳頭が浮腫状になった例は1回の手技では困難であった.内視鏡がプッシュでJ字になっている胆管アプローチはガイドワイヤーがヘアピン状となるため成功率は低くESBDが第一選択になりうると思われた.また,はちまきひだが腫脹していた症例は予想に反し困難例が多かった.ひとたび胆管にアプローチされると乳頭開口部から離れていることもありその後の手技はスムースに行えた【結語】プレカットは安全な手技であり,また施行前,施行中に困難例が予測できる.今後ESBDなどの使い分けで一期的に確実な治療が行える可能性がある
索引用語 プレカット, 困難例