セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

EUSガイド下ドレナージ

タイトル 内P-616:

腹腔鏡下胆嚢摘出術後の後区域枝完全切離に対してEUS下胆管ドレナージが有用であった1例

演者 廣瀬 勝也(会津中央病院・消化器病センター)
共同演者 多田 大和(会津中央病院・消化器病センター), 千葉 宙門(会津中央病院・消化器病センター), 宇賀治 良平(会津中央病院・消化器病センター), 京坂 朋来(会津中央病院・消化器病センター), 岩尾 年康(会津中央病院・消化器病センター), 吉田 浩司(先端消化器画像研究センター), 宮田 英樹(先端消化器画像研究センター), 牛尾 純(先端消化器画像研究センター), 長田 祐輝(先端消化器画像研究センター), 石野 淳(先端消化器画像研究センター), 野村 佳克(先端消化器画像研究センター), 河瀬 智也(先端消化器画像研究センター), 中嶋 義博(先端消化器画像研究センター)
抄録 <症例>症例は63才男性.平成23年心窩部痛にて当院受診.炎症反応の上昇,CTで胆嚢壁の不整な肥厚を認め,精査入院となった.ERCPで胆嚢管から後区域枝が分岐しており,胆嚢管は閉塞していた.急性胆のう炎および胆嚢の腫瘍性病変も否定できずopeとなった.腹腔鏡下胆嚢摘出術を試みたが,癒着高度で胆嚢管の同定困難で出血のコントロールも難しかったため,開腹術に移行した.しかし,術中に胆管損傷あり,損傷部位よりTチューブの挿入し,胆嚢造影を施行したが,胆嚢管同定できず,後区域も描出されなかった.病理学的には黄色肉芽腫性胆のう炎の診断であった.その後ドレーンからの排液が減少せず,後区域の完全切離を疑い,後区域にPTCDを挿入した.PTCD挿入により腹腔内へのleakは止まり,その後胆管・空調吻合術を試みたが,癒着強く困難であった.このためPTCDを外瘻のままfollowとしていた.PTCD挿入のまま生活する事が不自由であったため,EUSで十二指腸から胆管への穿刺ドレナージが可能かを確認したところ,十二指腸壁より10mm程度の部位に後区域枝の確認が可能であった.このため,十分なインフォームドコンセントのもと,EUS下に19GFNA針で後区域を穿刺,その後通電針で穿刺ルートをdilationした後,7FrのERBDチューブを挿入した.4日後のPTCDからの造影でSTENTを通して十二指腸への良好な流出が確認されたため,PTCDを抜去となった.十二指腸周辺の影響か,穿刺に伴うfree air, 胆汁漏は確認されなかった.7日後のCTで胆管の拡張の無い事を確認して退院となった.以後外来で通院中である.<結語>胆管の後区域枝が完全切離した症例に対して,十二指腸よりEUS下に後区域の胆管ドレナージを行った.我々が調べた範囲で報告している症例はなく,安全で低侵襲な治療と思われた.
索引用語 胆汁漏, EUS-CD