セッション情報 ポスターセッション(消化器内視鏡学会)

バルーン内視鏡を用いたERCP

タイトル 内P-619:

Roux-en-Y再建腸管における“ショート”シングルバルーンERCPの検討

演者 岩野 博俊(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
共同演者 良沢 昭銘(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 田場 久美子(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 小形 典之(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 林 靖子(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 大塚 和朗(昭和大横浜市北部病院・消化器センターDELIMITER東京医歯大・光学医療診療部), 宮地 英行(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 山村 冬彦(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 大越 章吾(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 井上 晴洋(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 工藤 進英(昭和大横浜市北部病院・消化器センター)
抄録 【目的】近年Roux-en-Y再建腸管に対する小腸用内視鏡を用いたERCPの有用性が報告されているが,これまでのシングルバルーン内視鏡(以下SBE)を用いたERCPでは,有効長200cmのSBEが用いられており,使用可能な処置具が限られていた.我々は2011年8月より,市販のERCP用処置具の大半が使用可能な “ショート”SBEを用いてERCPを行っており,有用性について報告する.【方法】2011年8月から2013年3月までに“ショート”SBEを用いてERCPを行った18例,28件(空腸狭窄例を除く,十二指腸乳頭12例,胆管空腸吻合6例)を対象とした.乳頭または胆管空腸吻合部への到達率,カニュレーション成功率,内視鏡治療成功率,処置内容,偶発症について検討した.内視鏡システムは,Olympus medical systems社製のプロトタイプSBE(SIF-Y0004)(有効長152cm,外径9.2mm,鉗子口径3.2mm),オーバーチューブ(ST-Y0001-1E1)(全長96cm,内径11mm)を使用した.【成績】乳頭または吻合部への到達率は92.9%(26/28)であった.カニュレーション成功率は96%(24/25)であった(到達不成功2件,カニュレーション不要1件を除く).内視鏡治療成功率は85.7%(18/21)であった(治療不要4件,到達不成功2件,カニュレーション不成功1件を除く).到達不成功,カニュレーション不成功,治療不成功は合計6件以外の22件(78.6%)で,市販の処置具の大半が使用可能な“ショート”SBEのみで検査・処置が可能であった.検査・処置内容は,EBS 10(うちMetallic stenting 2),截石7,造影検査のみ4,EST and/or EPLBD 3,胆管生検3,吻合部狭窄の拡張2,ステント抜去のみ1であった.偶発症は胆管炎7.1%(軽症2),穿孔7.1%(軽症1,中等症1),膵炎7.1%(軽症2)であり,いずれも保存的加療で軽快した.【結論】“ショート”SBEを用いたERCPはRoux-en-Y再建腸管症例に対して有用である.
索引用語 シングルバルーン内視鏡, 膵管ステント